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市長記者会見(2000年11月1日)

ページ番号13332

2013年6月7日

平成12年11月1日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は皆さんに,お知らせしたいことが2つございます。
 1つ目は,21世紀の幕開けである平成13年度から取組を進めます,新しい市政改革につきまして,2つ目は,工場や大学の市外流出の要因の一つとなっております「工場・大学等制限法」に係る京都市独自の運用方針についてでございます。

 

1 (1)京都新世紀市政改革大綱(案)

 

 新たな市政改革の指針となります「京都新世紀市政改革大綱(案)」についてでございます。
 京都市ではこれまでに,数次にわたる行財政改革を断行し,多くの成果をあげてまいりました。しかしながら,地方分権の本格化や少子・長寿社会の進展,IT革命など,時代の潮流に対応するため,また,かつてない極めて厳しい京都市の財政状況などから,本年末に策定予定の新しい京都市基本計画と連動して,より一層大胆な改革を推進することといたしました。
 それでは,大綱(案)の概要についてでございます。
 まず,改革の理念を2つ設定いたしました。1つ目は,「補完性の原理」に基づく「市民と行政の役割分担の改革」でございます。これにより,現在,市が行っている事業のうち可能なものについて,市民や民間市場への移譲や民間委託などを進めることといたします。

 2つ目は,「NPM〈New Public Management〉理論」に基づく「行政経営システム」への改革でございます。民間企業における経営理念や手法を行政運営に採り入れ,「経営の視点」で,仕事のやり方を抜本的に見直すことといたします。
 この理念に基づき,「新しい行財政運営システムの構築」と「財政健全化」という2つの改革の目標を掲げるとともに,本大綱(案)の特徴の一つとして,具体的な数値目標を設定いたしました。
 まず,職員の削減でございます。今年度当初までの市政改革により,すでに 1,246人の削減を実現したところですが,さらに,今後5年間で1,000 人を削減いたします。また,3つ以上の外郭団体を整理・統合するとともに,市税や国民健康保険料につきましても徴収率の目標を設定し,取組を強化いたします。
 大綱(案)に基づく取組内容につきましては,広報資料の5ページにございますとおり,2つの改革目標に沿って,30の項目を掲げました。
 その中から,いくつか特徴的なものをご説明いたします。
 まず,「京都市版行政評価システムの構築」でございます。これは,行政活動の業績を可能な限り数値化して管理する「経営の仕組み」を行政運営に生かそうというもので,今回の市政改革の中核でございます。京都市がこのほど開発いたしました「市民と行政の役割分担評価」に加え,今後,「形態別事務事業評価」のほか「政策評価」などを構築・導入し,行政評価システムを中心として,「経営」の視点から,改革を進めるため,今年度中に,「導入計画」を策定いたします。
 また,新たな手法として,PFI手法の検討とバランスシートの作成がございます。PFIにつきましては,本年7月,庁内に検討委員会を設置したところであり,来年度には,ガイドラインを策定したいと考えております。また,バランスシートの作成により,官公庁の会計では把握できない資産や負債の状況を明らかにし,職員のコスト意識の向上にも努めてまいります。
 さらに,限られた行政資源を最大限効果的・効率的に活用するため,思い切った事務事業の見直しを提案させていただきました。新しい時代にふさわしい「市民と行政の役割分担の考え方」を物差しとして,大胆な見直しを進めてまいります。
 その他の取組項目につきましても,いずれもが,従来の考え方や枠組みにとらわれないもので,単なる「量的改革」のみならず,「質的改革」にも積極果敢に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお,本大綱につきましては,今後の社会経済状況の変化に対応するため,3 年後の平成16年度に見直すこととしております。

 

1 (2)事務事業の見直し等の具体的取組

 

 次に,只今ご説明いたしました大綱(案)に基づく「事務事業の見直し等の具体的取組」についてでございます。
 大綱(案)に掲げました30の取組項目のうち,事務事業の見直し等につきまして,今後5年間に取り組む110の具体的項目を「一次案」としてまとめました。
 案をまとめるにあたりまして,京都市が独自に開発しました「市民と行政の役割分担評価」を10件の事務事業について試行いたしました。行政の関与の妥当性などを数値化して,客観的に評価する手法を開発・実施しましたのは,全国の自治体最初の先進的な取組でございます。評価の結果につきましては,お手元の冊子の巻末に掲載しております。
 個別の事業についての説明は,割愛させていただきますが,まずは,職員数の削減など市役所の内部努力を凛とした姿勢で断行いたします。
 そのうえで,意思形成過程の透明性を高め,市民の皆様へのアカウンタビリティを強化するため,「行政評価の結果」をはじめ事務事業の見直しに関して,あらゆる情報を積極的に公開いたします。
 そして,市民や関係者の皆様のご理解を得ながら,思い切った事務事業の見直しを進め,「21世紀にふさわしい自治体運営と財政健全化」を目指してまいる決意でございます。

 

2 工場・大学等制限法に係る京都市独自の運用方針

 

 最後に,工場・大学等制限法に係る京都市独自の運用方針についてでございます。
 京都市におきましては,近年の工場や大学の流出が,産業集積や学術研究機能に影響を及ぼしており,21世紀の京都のまちづくりを進めるうえでの懸案となっております。
 その要因の一つに,既成市街地への産業や人口の過度の集中を防止するため,昭和39年に制定された,いわゆる「工場・大学等制限法」(近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律)がございます。
 京都市の場合,山科区と西京区の全域と伏見区の一部を除く,市内の大半の市街地におきまして,法の許可基準に合致しない工場や大学の新・増設が禁止されており,産業や大学の充実を図るうえでの大きな制約の一つとなっております。
 創造性の高い大学や研究機関,伝統産業から先端技術産業まで優れた技術力を生かした企業等の育成・充実や立地誘導は,千年新都の創造を目指す京都のまちづくりに,欠かすことのできないものであり,私は,かねてから,機会あるごとに,企業や大学の立地に支障とならないよう,工場・大学等制限法の廃止・見直しや柔軟な運用を強く国に求めてまいりました。
 そうした甲斐もあり,本年4月の地方分権一括推進法により,工場・大学等制限法の許可事務が機関委任事務から京都市の自治事務となりました。
 このことを受け,これまでに,本市の特性を踏まえた法の適正な運用を図るとともに,工場や大学の新増設を積極的に支援していくため,本市独自の許可基準を検討してまいりました。このたび,独自の基準も含めた本市の運用方針(案)の骨子をとりまとめることができました。
 内容は,お手元の広報資料のとおりでございますが,例えば,廃止された工場の従業員数の合計の範囲内で,他の場所に別の工場の新増設を認めることや,短期大学が4年制大学へ移行する場合,一定の要件を満たせば教室の増設を認めるなど,工場や大学の新増設に当たって,柔軟に対応できるよう,京都市独自の大変思い切った内容にいたしました。
 年度内には実施できるよう,今後,この骨子をベースに肉付けや細部の調整を進めていく予定であり,企業や大学の関係者の皆様にも,この運用方針を積極的に活用いただき,本市といたしましても,他の支援施策と合わせて「ものづくり都市・京都」「大学のまち・京都」の充実・発展を推進してまいりたいと考えております。

 

(市長記者会見資料)

 

平成12年11月1日
京都市
総務局総務部行政改革課
222-3050

 

京都新世紀市政改革大綱(案)及び事務事業の見直し等の具体的取組について

 

 本市では,「京都新世紀に向けた市政改革行動計画」に続く,新たな市政改革の取組として,本年6月に,「京都新世紀市政改革推進本部」を発足させ,「次期市政改革の取組方針」を策定しました。
 このたび,「取組方針」に基づき,下記とおり,新たな市政改革の理念,目標,取組内容等を掲げた「京都新世紀市政改革大綱(案)」及び大綱(案)に基づく「事務事業見直し等の具体的取組(一次案)」をとりまとめました。
 今後,市民の皆様のご意見をお伺いし,「大綱(案)」については12月末に,「具体的取組」については,13年度予算編成等を通じてさらに見直しを加えた二次案を公表したうえで,3月末に確定させる予定です。

 

 

1 「京都新世紀市政改革大綱(案)」について
「京都新世紀市政改革大綱(案)」のポイント
① 「京都市版行政評価システム」を導入し,「新しい行財政運営システム」 を構築
② 職員数1,000人削減など,具体的な数値目標を設定
③ 「市民と行政の役割分担」の考え方に基づき,思い切った事務事業の見直 しを提起
(1) 改革の必要性
① 本年末策定予定の「京都市基本計画」と連動して「そのために京都市役所 はどうあるべきか」を明示する必要があること。
② 地方分権の本格化,少子・長寿化の進展など社会の成熟化,IT革命など, 市政を取り巻く環境の変化に対して,行財政運営方法を抜本的に改革する必 要があること。
③ これまでにない厳しい本市財政状況の改善が急がれること。

(2) 改革の理念
行財政運営全般にわたる「構造改革」を行うため,市民サービス提供面と市 役所の仕事の進め方の面から,次の2つを基本理念として改革を推進する。
① 「補完性の原理」に基づく「市民と行政の役割分担」の改革
 「補完性の原理」に基づいて,「行政の守備範囲の見直し」と「サービス 提供方法の変更」を推進する。

○「行政の守備範囲の見直し」…「行政の求められる役割はどこまでか」と, 「市民や民間市場が果たしうる役割は何か」との両面の観点から,「行政の 守備範囲」と「市民と行政との協働関係のあり方」を明確にして,市民や民 間市場に委ねることが可能なものについては,積極的に移譲する。
○「市民と行政との協働関係のあり方」…行政が提供すべきサービスであっても, 「市が直接執行する事務事業」と「民間委託等によって間接的に供給すること が可能な公共サービス」を区分して,行政サービス方法を変更する。

② 「NPM理論」に基づく「行政経営システム」への改革
  民間企業における経営理念・手法などをできる限り行政運営に導入して行 政の効率化・活性化を図ろうとするNPM(ニュー・パブリック・マネジ メント,新公共管理法)の考え方,手法を積極的に採り入れることによっ て,「管理」の視点から「経営」の視点で,仕事のやり方を抜本的に見直 す「行政経営システム」への改革を行う。

(3) 改革の目標
「新しい行財政運営システムの構築」と「財政健全化」を改革の目標とする。  併せて,主な数値目標も設定する。
① 新しい行財政運営システムの構築
組織や定員,経費などの「量的改革」のみならず,組織運営の方法や職員 の意識改革,予算システムの改革など機能面の改革を含む行財政運営方法の 全般にわたる構造的な「質的改革」に取り組む。
a 補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担の改革
行政の守備範囲の見直しによる大胆な事務事業の廃止・縮小やサービス 提供方法の変更による民間委託の推進などを行う。
b NPM理論に基づく行政経営システムの改革
ITを活用するとともに,「行政評価システム」を本市に相応しいかた ちで改革の戦略的手法として導入する。
※ 具体的な改革目標像として「5つの市役所づくり」を設定する。
② 財政健全化
a 健全な財政基盤の確立
歳入面では,国・地方を通じる税源配分の是正,市税徴収率の向上,受 益者負担の適正化などによる歳入確保策を講じるとともに,歳出面では事 務事業の見直し等を徹底する。
b 公営企業の経営健全化
各公営企業自体の更なる企業努力を促進する。 
③ 主な数値目標
a 職員数
平成13年度から17年度までの5年間において,1,000人減(約 5.5%)を目標数とし,職員数の適正化と効率的な人員配置に取り組む。

b 外郭団体の整理統合
平成13年度から17年度の5年間で,3団体以上の整理・統合を行う。

 c 市税等徴収率の向上

11年度決算見込 目 標 値
市 税 94.1% 96%台 (15年度)
国民健康保険料 91.6% 93.5%(17年度)
保育料 96.2% 98% (17年度)
公営住宅使用料 94.9% 97% (17年度)

(4) 取組方針
① 取組期間
平成13年度から17年度までの5年間
a 計画的な取組
○ 短期的取組(大胆な事務事業の見直し等)と中長期的取組(行政評価 システムの導入による行財政運営システムの抜本的改革)
○ 平成16年度に大綱の見直し
b 力を合わせた取組
○ 市民の声の反映
市民意見の反映,京都市市政改革懇談会の継続
○ 職員の主体的な改革への参画
全庁的な改革・改善運動の実施
○ 全庁挙げた推進
全庁体制,各局・区等ごとの委員会,課題別検討部会の設置

(5) 取組内容(30の取組項目)
[新たな行財政運営システムの構築]
○ 5つの市役所づくり
<新たな発想・手法を採り入れた政策自治体としての市役所づくり>
1京都市版行政評価システムの構築
「京都市版行政評価システム導入計画」を12年度中に策定し,次のシ ステムの構築・導入を進める。
○ 客観性を担保した事務事業の見直し等に資するシステム
全国的にも先駆的な取組として,「市民と行政の役割分担評価」を開 発・試行した。さらに,「形態別事務事業評価」を構築し,順次導入し ていく。
○ 行政評価システムを中心とした総合的なマネジメントシステム 政策-施策-事務事業の各レベルごとの評価システムを核とした本市 の総合的なマネジメントシステムを構築する。
2 行政業務情報化の推進
3 組織改革基本方針(仮称)の策定,実施
4 公共事業再評価の推進
5 PFI手法の検討
庁内の関係部局により構成する「京都市PFI検討委員会」において, 手法の利点やリスク等を見極めたうえで,PFI事業の導入についての検 討を進め,13年度に「(仮称)京都市PFI導入ガイドライン」を策定 する。
6 公会計制度の見直し検討 「バランスシート(貸借対照表)」を作成し,資産及び負債の状況を明 らかにするとともに,職員のコスト意識の向上等にも努める。
7京都市外郭団体再整備計画の推進

<市民の厚い信頼とパートナーシップによる市役所づくり>
8京都市市民参加推進計画の策定,推進
市民とのパートナーシップの確立を目指し,政策の形成・実施・評価の 一連の過程における市民参加の仕組みづくりを進める。
9 新たな情報公開制度の確立
13年度末に「京都市公文書の公開に関する条例」の見直しを行い,社会 情勢の変化に応じた新たな情報公開制度の確立を図る。
10 積極的な市政情報の提供
IT(情報技術)の進展に対応した広報活動など,市民のニーズや社会 の情勢に適した広報活動を実施する。

<市民感覚・市民の目線で良質なサービスを提供する市役所づくり>
11 区役所機能の充実
12 市民窓口サービスの向上
住民基本台帳のネットワーク化を図り,全国どこの市町村でも住民票の 写しの交付が行えるよう取り組むのをはじめ,市民が好感と満足を持つこ とができる質の高いサービスの提供を行う。

<職員の意欲と能力が最大限市民のために発揮される市役所づくり>
13京都市人材育成基本方針の策定,実施
14 新たな庁内活性化の推進
15 職員研修の充実
具体的取組を「事務事業の見直し等の具体的取組<一次案>」に掲上

<限られた行政資源を最大限効率的・効果的に活用する市役所づくり>
16 事務の簡素効率化,経費節減
徹底した事務の簡素化と経費節減を行う。
17 市民ニーズや時代の変化に対応した事務事業の廃止,縮小等
「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担」の考え方に基づき, 「市民と行政の役割分担評価」システムの導入等により,メリハリのある施 策・事業のスクラップ・アンド・ビルドを実施する。
18 民間活力の導入
「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担」の基本理念に沿って民間 活力の導入を推進する。
19 事業所,施設の運営見直し・統廃合
20 職員数の適正化
21 外郭団体の整理統合
12年度から導入した外郭団体の経営評価システムの取組等を通じて,整 理統合を進める。
22 公共工事コストの縮減

[財政の健全化]
○ 健全な財政基盤の確立
23 市税等徴収率の向上
市税,国民健康保険料,保育料,公営住宅家賃について,徴収率等の目 標数値を定め,その向上に向けた取組を行う。
24 受益者負担等の適正化
「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担」の理念に沿って,受益者 負担等の適正化に向けた取組を行う。
25 自主税財源拡充等の検討
法定外普通税及び法定外目的税の創設並びに超過課税の実施などあらゆ る方策を対象として,京都にふさわしい自主税財源拡充のための方策につ いて検討する。
○ 公営企業の経営健全化
26 バス事業の経営健全化
12年度から5年以内の経常収支の均衡を経営目標とする。
27 地下鉄事業の経営健全化
東西線開業後概ね30年以内の不良債務の解消を経営目標とする。
28 水道事業の経営健全化
「効率化推進計画」を着実に遂行するとともに,物件費の削減,建設事 業計画の見直し,建設事業費のコスト縮減を実施する。
29 下水道事業の経営健全化
 新たに「効率化推進計画」を策定し,さらなる人員削減を含めた事業の 見直しを進める。
30 市立病院の経営健全化
病床利用率の向上等による収益の確保及び材料費の効率的な執行や業務 の委託化・嘱託化の検討等による経費の削減,病院総合情報システムの活 用による経営分析等を進め,病院事業の一層の経営健全化を図る。

2 「京都新世紀市政改革大綱(案)」に基づく事務事業の見直し等の具体的取組について

京都新世紀市政改革大綱(案)に掲げる30の取組のうち,事務事業の見直し等の具体的取組について,今後5年間で取り組む110の具体的な項目を「一次案」として掲上した。
また,事務事業の見直しの検討をより客観的な基準・物差しで行うために,全国的にも先駆的な取組として,行政の守備範囲に主眼を置いた「市民と行政の役割分担評価」を開発し,主な事務事業について試行を行った。

(1)主な取組内容

a「市民と行政の役割分担」の観点による見直し
① 市バス・地下鉄敬老乗車証交付事業の見直し(具体的取組2-12)
② 健康増進センターの運営の見直し(具体的取組4-11)
③ 京都会館の運営委託化(具体的取組3-18)
④ 電子計算機構の管理運営の見直し(具体的取組3-1)
⑤ 公営住宅駐車場有料化(具体的取組9-5)
b 適正な財政負担の見直し
① 御池通シンボルロードアート空間創生事業の見直し(具体的取組1-1)
② 公営住宅のストックの活用(具体的取組2-15)
③ 前納市税報奨金制度の見直し(具体的取組2-5)
④ 口座振替引落済通知の廃止(具体的取組1-11)
c 行政の内部努力
① 新・定員適正化計画の策定(具体的取組5-1)
② 制服貸与制度の見直し(具体的取組1-2)
③ 市税徴収率の向上(具体的取組8-1)

(2)京都市「市民と行政の役割分担評価」の試行(巻末資料)
① 作成
京都市市政改革懇談会・第一次提言『市民と行政の役割分担と協働のあ り方』(平成10年7月)で示された考え方をベースに,市の関与の妥当性な どを数値化して,客観的に評価する手法として作成した。
② 活用
「ワークシート」を用いて,公共性,行政関与の妥当性,受益者負担の妥 当性,実施主体の妥当性の4つの項目について評価を行い,事務事業の充 実,廃止,外部委託化等を決める判断材料とする。
 また,パソコンを活用し,その評価結果が,自動的にグラフにプロットさ れ,評価結果も自動的に打ち出されるように工夫している。
③ 留意
本評価は,一定の方向性を導き出すため判断を行うための道具であり,必 要十分な設問を網羅することには限界があるため,得られた結果をもって, 直ちに廃止や民間委託を行うといった判断を行うものではなく,様々な角度 から検討をしたうえで,判断する必要がある。
④ 試行実施
今回の事務事業の見直し作業の中で対象事務事業を抽出し,合計10件の 試行実施を行った。また,その結果についても公表することとした。
⑤ 今後
12年度中に「京都市版行政評価システム導入計画」を策定し,これに基 づき,試行実施する対象事務事業を拡大し,13年度から本格導入するとと もに,「形態別事務事業評価」を構築する。さらに,行政評価システムを 中心とした総合的なマネジメントシステムを構築する。

3 今後の予定等
今後,広く市民の方々等の御意見や御提案を頂いたうえで,「京都新世紀市 政改革大綱(案)」については,本年12月末に確定,「「京都新世紀市政改 革大綱(案)」に基づく事務事業の見直し等の具体的取組(一次案)」は,さ らに来年1月までの間に,13年度予算編成作業などを通して,引き続き見直し 作業を実施し,2月に追加修正を行った「二次案」を公表し,3月末に取組内 容を確定する予定である。

◆ 「大綱(案)」及び「具体的取組(一次案)」の配布場所
京都市役所市政案内所・情報公開コーナー,区役所・支所の地域振興課で 11月2日から無料配布
◆ 御意見等募集方法
 郵送又はFAX,電子メールのいずれかの方法
(様式は問いませんが,郵送・FAX用の用紙を各冊子に綴じ込んでいます)
【郵 送】〒604-8571 京都市総務局行政改革課(住所記載不要)
【FAX】075-222-4027
【電子メール】 [email protected]
◆ 資料配布及び御意見等募集期間
 平成12年11月2日~12月15日

 

(市長記者会見資料)

 

平成12年11月1日
京都市

都市計画局都市企画部都市計画課
℡222-3505

 

工場・大学等制限法に係る京都市の運用方針(案)の骨子について

 

 本市では,近年,工場や大学の流出が,産業集積や学術研究機能に影響を及ぼしており, 21世紀の京都のまちづくりを進めるうえでの懸案となっております。
 その要因の一つとして,「近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律」(昭和39年制定)<以下「工場・大学等制限法」という>による工場や大学の新増設に係る制限があり,同法の許可基準に合致しないものは新増設が禁止されていることが考えられます。
 これまでに企業や大学の立地に支障とならないよう工場・大学等制限法の見直しや柔軟な運用を強く国に求めてまいりましたが,本年4月からの地方分権一括推進法により,工場・大学等制限法の許可に関する事務が機関委任事務から本市の自治事務になりました。
 そこで,本市の特性を踏まえた同法の適正な運用を図るとともに,工場や大学の新増設に対して,積極的に対応し,支援していくため,同法の許可制度に係る本市独自の基準を検討してきましたが,このたび,その独自基準も含めた運用方針(案)の骨子を下記のとおりとりまとめましたのでお知らせします。
 なお,今後,この骨子に基づき肉付けや細部の調整等を行い,本年度中に実施できるよう取り組んでまいります。



1 経緯
 平成12年4月の地方分権一括推進法の施行により,工場・大学等制限法の許可に 関する事務が機関委任事務から本市の自治事務になったことにより,本市独自の運用 方針を策定するもの。

2 目的
 創造性の高い大学や研究機関,伝統産業から先端技術産業まで優れた技術力を生か した企業などの育成・充実や立地誘導を図るため,工場や大学の新増設に対して,京 都市として積極的に対応し,支援を行うため。

3 適用区域(法律に基づく制限区域)
 山科区と西京区の全域及び伏見区の一部を除く,京都市内の大半の市街地

4 骨子の主な概要
 これまでの許可基準に比べ,本市独自の許可基準を策定することにより,①廃止され た工場に係る従業員数の合計範囲内での別工場の新増設②短期大学が4年制大学へ移 行する場合の教室の増設(一定要件を満たした場合)などが可能となる。

5 骨子
 (1)工場・大学等制限区域における工場の作業場を新増設する場合で,次の要件に該 当する場合は許可基準に該当するものとする。
ア 作業場の新設又は従業員数の増員をもたらす増設を行う場合で,近年の経済状 況の悪化,産業構造の変化等製造業を取り巻く経済社会情勢の変化に伴い,京都市 域の工場・大学等制限区域内で廃止された工場がある場合において,当該廃止され た工場の従業員数の合計以内で別に定めるものの範囲内である場合
イ 作業場の新設又は従業員数の増員をもたらす作業場の増設の場合であって書面 によって「新設又は増設に係る作業場の従業員の増加については,工場・大学等制 限区域内の居住者から募集する」ことが確認できる等,工場・大学等制限区域内の 人口の増大をもたらさないことの蓋然性が高いと判断できる場合
ウ 法の施行日以前から引き続き存する作業場につき,当該作業場が存していた団 地の法の施行の際における区域内において床面積を増加させる場合であって,当該 増加が近代化設備の導入等により品質の改善,生産費の引き下げその他経営の合理 化を図るため特に必要であり,かつ,床面積の増加後の従業員数が近代化又は経営 の合理化を図る前の従業員数の2割を超えて増加しない場合
(2)工場・大学等制限区域における大学等の教室を新増設する場合で,次の要件に該 当する場合は許可基準に該当するものとする。ただし,他の法令に基づき,大学や 学部・学科の設置に係る許認可が受けられる場合を前提とする。
ア 大学の教室につき,当該申請に係る教室を申請に係る場所に新設し,又は増設 する場合であって,大学が工場・大学等制限区域内に存することにより主に都市部 における環境問題,高齢福祉問題,精神カウンセリングなどの研究がより充実する と認められる場合で,その収容定員が小規模な場合
イ 法の施行日以前から引き続き存する短期大学の教室につき,四年制大学に移行 することが,その大学における教育及び研究の目的を達成するために特に必要と認 められる場合

6 今後の予定
平成12年度中に運用方針を固める予定。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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