平成28年10月号 救急の窓
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2016年10月3日
救急課では,平成28年9月1日,本年4月にオープンした下京区にある京都鉄道博物館において,普通救命講習を開催しました。普通救命講習の講師として,昨年7月の祇園祭山鉾巡行を観覧中に,曳き手の男性が突然倒れた際,駆け寄って応急手当を行い救命された鈴木 みちる 氏(京都府立盲学校養護教諭)や,応急手当の普及とAED(自動体外式除細動器)の設置を推進する安心救急ネット京都登録事業所の応急手当普及員12名が参加し,一般募集の受講者など97名に対して,応急手当の重要性や心肺蘇生法などの指導を行いました。
最初に,鈴木 氏とKBS京都の木村 寿伸 アナウンサーが,KBS京都が撮影した映像(事故現場に居合わせた鈴木 氏が応急手当を行っている場面)を見ながら,応急手当の重要性について,当時を振り返って対談されました。鈴木 氏は,「私は完璧な応急手当ができた訳ではありません。でも,その場でできることを考え,行動することが大切です。」と受講者にメッセージを送られました。
応急手当普及員(安心救急ネット京都登録事業所)
・ 医療法人社団育生会 久野病院(出店氏)
・ 龍谷大学(坂本氏,田中氏,寺田氏,三浦氏)
・ 京都ブライトンホテル株式会社(松村氏)
・ 福田金属箔粉工業株式会社(中山氏)
・ 一般社団法人 日本自動車連盟京都支部(加藤氏)
・ 西日本旅客鉄道京都支社(井伊氏)
・ 洛和会ヘルスケアシステム(清野氏)
・ 京都教育大学附属桃山中学校(渡辺氏)
・ セコム株式会社(武内氏)
※ 順不同
また,9月9日には,京都市市民防災センターにおいて「救急フェスタ2016」を開催しました。医師による講演や一般市民の方による応急手当の事例発表のほか,近隣保育園の園児たちを迎えて,京都市消防音楽隊の演奏や子供救急隊コーナーを設けるなど,内容を充実しました。
1階の子供救急隊コーナーでは,集まった園児たちが子供用救急服などを着てミニ救急車に乗車・出動し,倒れている人(訓練人形)にAEDを使用した胸骨圧迫などの救命活動を行いました。まだまだ体の小さな子供たちですが,純粋に人を助けたいという気持ちが伝わってきて,頼もしく思いました。
医師による講演は,京都第二赤十字病院救命救急センターの成宮 博理 医師に,「蘇生ガイドライン2015の概要」や「救命の連鎖における医療機関の役割」をわかりやすくお話ししていただきました。続く応急手当の事例発表では,路上で心肺停止となった男性に対して応急手当を実施し,救命した小島 美穂 氏と口頭指導を行った京都市消防指令センターの澤井 消防士長が,救急事故発生当時を振り返りました。
小嶋 氏は,「どのように対処すべきか迷いましたが,澤井さんからの口頭指導を受け,この人を助けたい一心で救急車が到着するまで胸骨圧迫を続けました。」,「倒れた方が,一命を取り留めたことを知り,安心しました。」とお話されていました。成宮 医師から「この人を助けたいと思う気持ちは医師も同じです。このように,救命の連鎖がつながったことは非常に喜ばしいことです。」と述べられました。
119番通報から救急車が現場に到着するまでの時間は,京都市では平均6分32秒(平成27年中)掛かっており,心臓や呼吸が止まった人を救命するためには,この間に現場に居合わせた方(バイスタンダー)が勇気を持って周囲の人たちと協力し,自分にできることを1秒でも早く行うことが大切です。救急課では,今後も様々な機会を通じて,応急手当の普及啓発やAEDの設置を勧奨していきます。
お問い合わせ先
京都市 消防局消防学校教育管理課
電話:075-682-0119
ファックス:075-671-1195