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京都市消防局

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平成28年6月号 調査マンからのメッセージ

ページ番号199468

2016年6月1日



 昔に比べ,各家庭で使用している家電製品やガス機器などは,長い期間,使い続けても故障が少なくなり,安全性も飛躍的に向上しました。

 しかし,数年前には,30年以上使用していた扇風機から出火し,死者が発生する火災が起きたり,長年使用の小型ガス湯沸器の中毒死亡事故が発生するなど,長期間使用していた家電製品やガス機器等からの事故が続き,社会問題化したことから,長期間の使用による経年劣化で重大な危害を及ぼす事故が起こっている製品や事故件数の多い製品に対し,事故を防止するための制度として平成21年4月から,「長期使用製品安全点検制度」と「長期使用製品安全表示制度」が施行されました。

 今回は,この2つの制度について紹介します。


○ 特定保守製品と安全点検制度とは・・・長期使用による経年劣化により,重大な事故に至るおそれのある品目(特定保守製品)を定め,これらの品目の製造・輸入業者,販売事業者,関連事業者,消費者等が,それぞれの役割を果たして経年劣化による事故の防止を図る制度です。

○ 特定保守製品とは・・・屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用,LPガス用),屋内式ガスバーナー付風呂釜(都市ガス用,LPガス用),石油給湯器,石油風呂釜,密閉燃焼(FF)式石油温風暖房機,ビルトイン式電気食器洗機,浴室用電気乾燥機の9品目が該当します。

○ 製造・輸入業者の役割とは・・・経済産業局長への事業の届出,製品への表示,製品の所有者情報の管理,点検等の保守サポート体制の整備等,7項目の義務が製造・輸入業者に課せられています。



○ 販売事業者や関連業者等の役割とは・・・特定保守製品の多くが建物等に備付けの機器であるため,販売事業者や不動産取引仲介業者等の関連事業者から引渡し時に,所有者への説明等を義務付けしているものです。所有者(消費者)に対しても,製造・輸入業者への所有者情報の提供(所有者票の送付)や点検等の実施について,求めています。


○ 長期使用製品安全表示制度とは・・・特定保守製品が建物等に備付けの機器であるのに対し,所有者が個人等で購入する機会の多い家電製品のうち,長期使用による経年劣化が原因の事故の発生率が高い機器に対し,注意喚起を促す表示を義務付ける制度です。

○ 対象品目と対象者とは・・・扇風機,エアコン,換気扇,洗濯機(洗濯乾燥機を除く),ブラウン管テレビの5品目が対象になっています。また,対象者は対象品目を製造又は輸入を行っている事業者となります。

 なお,対象者は対象品目に「経年劣化についての注意喚起」等の表示を行います。




 平成18年から平成27年までの10年間に京都市内で発生した火災等の状況は,次のとおりです。

○ 長期使用製品安全点検制度の特定保守製品から発生した火災は,屋内式瞬間湯沸器(都市ガス用)の1件となっていますが,火災に至る前に異常が発見されたものは屋内式瞬間湯沸器(都市ガス用)2件,屋内式ガスバーナー付風呂釜(都市ガス用)1件となっています。

○ 長期使用製品安全表示制度の対象商品からの火災は,扇風機4件,エアコン3件,ブラウン管テレビ1件のほか,火災に至る前に異常が発見されたものは扇風機1件,エアコン4件,洗濯機2件となっています。


○ 機器は使用していなくても劣化は進みます!

  一見,新しく感じる物でも,内部の劣化は進んでいますので,一定期間が経過していれば,業者点検をお願いします。

○ 同じ製品でも,使用状況や使用環境によって劣化の進み具合に違いがありますので,過酷な状況で使用している場合は,早めの点検をお願いします。

○ 電源コードや家電製品の回りは,時々,掃除をして,自分自身で異常を確認してください。

  コード被覆のヒビ割れや変色,付着しているほこり等の変色などが発見できる場合があります。

○ 使用していて「おかしいな」と思ったら,すぐに使用を中止し,業者に点検をしてもらってください。自分で機器の内部を開けて清掃するなど,取扱説明書に示されている以外のことを自分の判断で行うことは,大変危険です。

○ 部品の保有期間が過ぎると修理はできなくなります。部品の保有期間が使用する期間と考えてください。


 家電製品やガス機器などは,一見,新しい物でも,思っている以上に長く使用している場合があります。一度,使用している家電製品やガス機器に記載されている製造年と取扱説明書等の書類を確認して,長年の使用による経年劣化事故を防止してください。

  • 目次

お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195