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京都市消防局

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平成27年12月号 情報通信課通信

ページ番号190704

2015年12月1日



 平成27年6月2日に運用を開始した新消防指令システムでは,「指揮本部支援端末」,「救急活動用端末」,「情報共有・作戦支援端末」,「映像伝送装置」などを新規導入するとともに,「災害情報処理機能」,「大規模災害機能」などの機能を拡張し,それぞれのシステムの連携を強化することで,日々の火災,救急活動はもちろんのこと,震災や水災などの大規模災害を含めたあらゆる災害に,より一層迅速かつ的確に対応できるようになりました。


 これまでは,消防指令センターと現場指揮本部との間では,主に無線により現場状況の情報共有を図っていましたが,現場指揮本部にノートパソコンを,指揮者にタブレットを導入し,映像による情報共有が可能となるなど,現場指揮機能を強化しました。



 従前は,災害多発時や大規模災害時に職員を非常召集した場合に消防指令センター内の活動スペースが少なく,処理能力に限界がありましたが,増加する救急需要をはじめ,地震や風水害など大規模災害に的確に対応していくため,消防指令センターを一新して情報収集機能及び処理能力を強化しました。

 1.指令台(119番通報を受信する台)を7台から9台に増設

   指令台を増設したことにより,より多くの災害受信,出動指令の発令等が可能になりました。

 2.1台の指令台のモニター数を2画面から4画面に拡充

   指令台のモニターへの情報の表示量を増やし,災害地点の迅速な特定など,より適切な災害対応が可能になりました。

 3.大規模災害時等において,1台の指令台を2分割して2人で運用することができる「大規模災害モード」を搭載(最大18台として対応可能

   大規模災害時等に指令台を倍増させ,処理能力が大幅にアップしました。


  4.床面積を増やし,あらゆる災害に的確に対応

    大規模災害時には,見学スペースとして使用しているエリアを情報集約や作戦を樹立する「指令作戦室」として消防指令センターと一体的に運用できるスペースとしました。


 5.大型マルチスクリーンの設置

   消防指令センターの前面に110インチスクリーンを5面配置し,消防車や救急車等の車両運用状況,高所カメラやヘリテレビの映像,気象情報等を任意の位置に表示できるようにし,情報収集機能を強化しました。



 これまでは,救急隊が現場で受入可能な救急病院を確認するには,救急車に積載しているナビゲーションモニターで確認するか,消防指令センターに無線等で問い合わせる必要がありましたが,救急隊にタブレットを導入したことにより,救急隊が救急車から離れていても,病院選定等に必要となる医療情報(救急病院の収容可能状況等)を確認することができ,より迅速に受入病院の選択が可能となりました。


 ~これまでの消防指令システム~

 昭和26年(1951)1月1日            一斉指令装置運用開始

 昭和36年(1961)6月1日            一斉指令装置更新運用開始

 昭和45年(1970)4月1日            消防指令センター救急指令装置運用開始

 昭和62年(1987)2月2日            一斉指令装置更新運用開始

 平成10年(1998)4月1日            新消防指令システム運用開始

 平成27年(2015)6月2日            新消防指令システム更新運用開始


 京都市消防局では,平成24年から4箇年計画で整備してきた消防救急デジタル無線の本格運用を平成27年10月27日から開始しました。

 この4年間は,基地局整備,移動局(携帯無線,車載無線等)整備,伝搬調査等のデジタル化へ向けての準備と,デジタル無線に切替後,スムーズに対応できるよう,職員に対して消防救急デジタル無線の特性や取扱方法等の説明を実施してきました。


 近年,携帯電話や無線LAN等の爆発的普及に伴い,電波(周波数)が不足しており,電波の有効利用の観点から,電波行政を担う総務省がテレビ(地デジ化)をはじめ,タクシー無線等の各種業務用無線及び防災行政無線についてのデジタル化を推進しています。

 このようななか,これまで運用していた消防救急アナログ無線についても,電波法令の改正により,平成28年5月31日までにアナログ方式からデジタル方式に移行し,新たな周波数帯を使用することとされました。

 これに伴い,全国750余りの全消防本部が消防救急無線のデジタル化に着手しており,すでに多くの消防本部がデジタル無線の運用を開始しています。

 消防救急無線のデジタル化は消防通信の非常に大きな転機であり,技術面,運用面及び経費面に大きな影響を及ぼすことから,京都市消防局では,平成21年度に関係所属による検討会を設置し,検討を行ってきました。(庶務課,企画課,救急課,警防計画課,消防救助課,指令課及び情報通信課(事務局))


 1.デジタル無線のメリット

 ◎ 秘匿性の向上(個人情報,機密情報等の保護)

   デジタル無線は,一般には市販されない専用の無線機器でないと傍受できないため,個人情報や機密情報等の保護が図れるようになりました。

 ◎ 無線チャンネルの増加(同時災害時の輻輳軽減)

   デジタル無線にすることにより,電波の有効利用が図れるため,消防用,救急用共にチャンネルを増加することができ,同時災害時においても円滑に通信が行えるようになりました。

 ◎ 音声の明瞭化(現場通信の確実性の向上)

    デジタル無線は,アナログ無線と比較して音声が格段に明瞭になり,より円滑かつ確実に通信が行えるようになりました。

 ◎ データ通信(消防・救急活動の円滑化)

        携帯通信回線に障害が発生した際に,デジタル無線で消防車両の位置情報を送信することができるようになりました。

 2.デジタル無線の特性

 アナログ無線は,音声をそのまま電波に乗せていますので,電波干渉(混信)を受けた場合でも,程度の差はありますが,雑音等に混じりながら音声を聞き取ることができました。

 一方,デジタル無線は,音声をデータ(1と0の信号)に変換して電波に乗せて送信し,受信した無線機では,データを音声に復元して再生しています。強い電波干渉を受けると,データが壊れる(1と0の並びが乱れるなど)ことがあり,この場合は受信側で復元できず音声が再生されません。

 デジタル無線にはこのような特性があるため,複数の基地局から同じチャンネルの電波を出すと,ほとんどの地域で無線通信ができなくなってしまいます。そこで,各基地局には違うチャンネルを割り当て,それをグループ化することで,アナログ無線と同じように市内全域での無線通信を可能にしています。

  3.主な整備機器

  ア 基地局無線装置

    消防指令センターと消防隊や救急隊が通信を行うための基地局となる無線装置で,消防局本部と市内周辺5箇所の無線中継所に設置しています。


 イ 卓上型無線装置

         消防署及び消防出張所等に設置している無線装置です。


 ウ 車載型無線装置

     消防車,救助工作車及び救急車等に設置している無線装置です。


 エ 携帯型無線装置

    指揮隊,消防隊,救助隊及び救急隊の隊長等に配備している無線装置です。


  • 目次

お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195