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京都市消防局

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平成27年4月号 研究課レポート

ページ番号179742

2015年4月1日



 今回は,北川式ガス検知管を用いた実験を行いました。

 火災原因調査の際,油分(ガソリン,灯油)が現場に存在するか否かを調べるときに,北川式ガス検知管を用いて調べます。


 ガス採取器とガス検知管から構成されており,検知管の種類により,ガソリンや灯油以外にも,様々な気体の成分を検出することができます。

 今回使用する検知管は「鑑識用石油」です。ガソリンを検知したときは,ガス吸引口から順に,黄色及び緑褐色を示します。灯油を検知したときは,ガス吸引口から順に,茶色,淡ピンク及び淡褐色を示し,この色の識別により,ガソリンや灯油の有無を判断します。


 綿100%タオルにガソリン又は灯油を2ml含ませ,1分間燃焼させた後,水で消火。その後,風通しの良い暗所で放置し,1分後,3時間後及び5時間後に北川式ガス検知管で測定を行う。測定方法は,タオルをポリエチレン袋に収去し,中の空気を検知管(「鑑識用石油」を使用。)で吸引する。(写真1)


 ガソリンは,1分後に測定したものは,ガス吸引口から順に,黄色,緑褐色を示したが,3時間後及び5時間後に測定したものは,検知せず,色調の変化はなかった。(写真2及び4)                                                     

 なお,3時間後及び5時間後の測定時は,ガソリン臭はしなかった。

 


 灯油は,1分後に測定したものは,ガス吸引口から順に,茶色,淡ピンク及び淡褐色を示したが,3時間後に測定したものは,茶色及び淡褐色のみを示し,淡ピンクは視認できなかった。5時間後に測定したものは,検知せず,色調の変化はなかった。(写真3及び4)

 なお,3時間後の測定は若干の灯油臭がしたが,5時間後の測定時には灯油臭はしなかった。



 今回の実験から,ガソリンや灯油は時間経過とともに揮発してしまい,検知できなくなってしまうことが分かりました。

 火災現場で油分の存在が疑われる場合,検知できなくなる前に,速やかに収去及び測定を行ってください。

 

※今回の実験結果は,上記の実験条件においてのものです。油分の量,燃焼状況及び気温等の条件により結果が異なります。


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