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電気ストーブの熱着

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2012年12月17日

ストーブに服がかかっている画像

 

 石油ファンヒーターは,送風口が衣類などで覆われますと,その状態にもよりますが,

放熱条件が悪くなって内部の温度が上昇し,この急激な温度変化をセンサーが感知してヒーターが停止する仕組になっています。

 一方,電気ストーブはというと,転倒した際に通電しなくなる転倒スイッチはありますが,衣類などの接触による対応はされていません。
 そこで,今回は,この電気ストーブに衣類などの可燃物が接触した場合の着火実験をご紹介しましょう。

【電気ストーブと温度測定点】

 電気ストーブは石英管ヒーターを縦に3本並べたもので,出力は1050w,

すべてを点灯させた状態で下図のように前面ガードの上部の温度を測定しました。

 

温度測定点画像

 

【衣類の接触による実験】

 

衣類の接触による実験の表

 ポリエステル素材のセーターと綿のセーターの2種類を用意し,衣類で前面ガードを完全に覆うような状態にして実験を行いました。
 ポリエステルは,接触してから30秒後に発煙し,
2分後に溶融を開始,2分30秒後に中央部分が焼欠を始めました。
温度は焼欠が始まるまでに230℃にまで上昇しましたが,その後は平衡状態になり,
衣類の焼欠範囲が広くなるだけで,10分後でも発火しませんでした。
 綿は,20秒後に発煙を開始し,その後発煙は急激になり,

2分30秒後に中央部が焦げ始め,3分20秒後に発火しました。
温度は,2分間はポリエステルとほぼ同様な上昇傾向を見せますが,
焦げ始める時間を変異点として急激に上昇しています。
 ポリエステルでは,溶融によって焼欠部分ができ,
その隙間からの放熱や融解熱が吸収されて衣類の温度上昇が妨げられることから,
着火しなかったものと考えられます。

 

【綿タオルによる実験1】
 下図のように前面ガードを覆う範囲を約半分にして実験を行いました。タオル1枚の場合では接触してから2分,2枚重ねでは3分で温度が平衡状態に達しています。
 中央部分に焦げた箇所は見られましたが,10分経過しても発火には至りませんでした。

 

ストーブにタオルがかかっている画像
タオルによる実験の表
【綿タオルによる実験2】
タオルによる実験の表

 次に,タオルで前面ガードを完全に覆うことにしました。
タオル1枚の場合は,
接触してから3分30秒で温度が215℃で平衡となり,
実験1に比べて55℃温度が高くなったにもかかわらず,
焦げた程度にとどまりました。
しかし,タオルを2枚重ねにすると,4分を境に温度が上昇し,
5分45秒で260℃に達して発火しました。
 これらの実験から,接触する衣類の素材の違いや重ね方など
接触の状態によって着火条件が異なり,綿製の衣類では,
接触の状態によっては放熱が妨げられ,
前面ガードと衣類との間の温度が250℃を超えるような状態になると
発火のおそれがあることがわかりました。
 このような火災事例は実際に起こっており,
周囲に衣類などの可燃物を置かないような配慮が必要です。

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