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電子レンジで食器が燃える?

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2012年12月17日

電子レンジでプラスチック容器が燃えている画像
電子レンジで食器が燃える?のビデオ

 

 電子レンジは火を使わないので,安全な調理器具だと思っていませんか?

しかし,加熱する食器などの種類によっては簡単に火が付く場合があります。

そこで,今回は家庭でよく使われているプラスチック食器を電子レンジで加熱して,

熱による変化や発火について試験しました。

 

<電子レンジの原理>

(交流で分極の向きが変わる様子)

 

電子レンジの原理画像

 

 物質をつくっている分子には,電界の中に置くと一方が正(+),反対側が負(-)に帯電する性質(分極)を起こすものがあります。

このような物質を電極間に置いて強い交流電圧を加えると,分極の向きが常に変わる(振動する)ため,

そのときに熱を発生して物質自体の温度が上がります。

これを「誘電加熱」といい,電子レンジでは「マグネトロン」と呼ばれる装置で2,450メガヘルツといったマイクロ波を発生させ,

食品に含まれる水の分子を振動させて加熱します。

 

 

<加熱による外観の変化>

 

 家庭でよく使用されている材質のプラスチック食器を加熱し,その外観や表面温度を測定したところ,表のとおりでした。
 以上の結果から,ポリプロピレン樹脂が表面温度の上昇も少なく,電子レンジで使用するのに最適と思われます。

ユリア樹脂,フェノール樹脂(木粉混合),メラミン樹脂は短時間なら使用可といわれていますが,

今回の実験では短時間でも発煙,変形が認められました。

また,ポリカーボネート樹脂,スチロール樹脂,ABS樹脂は短時間の加熱ならば異常は発生しませんでした。


 

<加熱による食器の発火>

 

樹脂容器が燃えている画像

 

 フェノール樹脂(木粉混合)の食器 を連続加熱したところ,発煙するとともに表面の塗装(金属粉を含む模様部分)で微小な火花が発生し,

5分10秒後に炎をあげて燃えだしました。

 

<加熱によるパック容器の発火>

 

加熱によるパック容器の発火画像

 

 内側をアルミ加工した紙製及びスチロール製の食品パックに白飯,天ぷらなどを入れて連続加熱しました。 発火は早いもの(25秒)から,遅いもの(13分30秒)に至るまで,非常にバラツキが大きいものの,すべて発火しました。所要時間はアルミ加工部で発生する放電火花の起こりやすさと,小さい放電エネルギーにより着火する素材の薄さなどに左右されると考えられます。
 今回は食器自体の発火について実験しましたが,食品自体が発火した事例,布製品を乾燥中に発火した事例などが実際に報告されています。 どのような機器についても言えることですが,電子レンジについても加熱する食器の種類や食品の量に合わせた適切な加熱時間などを守らなければ,思わぬ事故を起こす可能性がありますので注意してください。

 

加熱による外観の変化

食器の材質

カップ

 外観の変化等

[1] 超耐熱ABS

 

 

表面は 175℃を超えるが変形変色はなし
試料1では20分の加熱でも再使用可
[2] ABS

 

 

[3] ユリア

 

 

発煙し塗装が泡立ち,外力で容易に変形
[4] フェノール(木粉混合)

 

激しく発煙(分解ガス)した
[5] メラミン

表面は 190℃を超え,ひび割れ変色あり
[6] ポリカーボネート

 

 

表面が 180℃となるが変形・変色なし
[7] ポリプロピレン

 

10分間加熱後でも温まる程度で外観異常無
[8] スチロール

 

 

10分間加熱で底部が溶融して変形

表 加熱による外観の変化

 

 

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