左京食文化プロジェクト「”ほんまもん”の食を楽しもう」シンポジウム第1部
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2016年5月26日
左京食文化プロジェクト「“ほんまもん”の食を楽しもう」パネルディスカッション(摘録)
パネリスト
奥出 一順氏(蕎麦懐石・古農家民宿「蕎麦打ちおくで」主人)
新谷 久利氏(北部農林業地域振興協議会会長)
鈴鹿 可奈子氏(株式会社聖護院八ッ橋総本店専務取締役)
土井 健資氏(株式会社土井志ば漬本舗代表取締役社長)
コーディネーター
シンポジウム概要
食文化に関する地域と産業の連携について
宗田好史氏
奥出一順氏
新谷久利氏
奥出:年々鹿や猪などの鳥獣被害がひどくなってきた。鹿は食材としてローストや燻製・カレーにすると美味しく魅力のあるものだということが少しずつ広まってきている。鹿肉の消費が増えれば猟師も増え,農作物への被害が減少するのでは。
新谷:「京の花街みょうが」という新しい品種を広河原で3年前から作り始めた。通常の倍近くの大きさで,香りも良く色鮮やかに育つ。この「京の花街みょうが」を特産品にし,過疎対策・地域の活性化につなげたい。
宗田:祇園祭の厄除け粽や和菓子等に使われるチマキザサは元来左京区北部から供給されていたが,数十年に一度の一斉開化と枯死の後,鹿の食害で再生せず,今では宮津や他県から集めている。しかし祇園祭の粽は京都市内の笹で作りたいという思いで,5~6年前から再生の取組を続けているが,まだ復活までの道のりは長い。
京都や左京の食の伝統を守っていくための取組について
土井健資氏
鈴鹿可奈子氏
土井:原種に近い中国古来の香り高い大原の赤しそを受け継ぎ,他府県との差別化を図るため,しば漬けを「なす・赤しそ・大原で漬けたもの」という定義で数年前にブランド化した。漬物の協同組合(91店協賛)が品質向上のため一致団結した。
鈴鹿:類似した形状の菓子を八ッ橋と銘打って製造販売する会社も、残念ながら存在する。
八ッ橋の定義である「米粉と砂糖をあわせ、にっきで香り付けをしたお菓子」を守ることにも努めており、京都八ッ橋商工業協同組合(14社加入)にはそれと同時に生八ッ橋だけでなく本来の琴の形をした焼き菓子を製造販売していることが、加入条件となっている。
一方で当社は2011年、八ッ橋のさらなる普及のため、従来製造している八ッ橋・生八ッ橋という素材を使いながら、これまでと違う食材との組み合わせや色や形を楽しんでもらう、「nikiniki」という新ブランドを立ち上げた。これにより一人でも多くの方が八ッ橋を口に運んでいただけると嬉しい。
食文化を次世代に受け継ぐための食育について
土井:学校から自社のしば漬け工場の見学の依頼があれば全てお受けし,京都市の小学校給食にしば漬けを取り入れて頂くなど,左京の食文化を守り伝える一役を担っている。食育活動もこの10年で進み,京都市の学校給食で和食中心のメニューもできた。
宗田:「伝統」は持って行き方次第でビジネスに生かせるし,現代にうまく適合させながら継承していける。左京区,そして京都から,伝統の持つ可能性を世界に発信し広げていこう。
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