スマートフォン表示用の情報をスキップ

京都市教育委員会

言語選択を表示する

検索を表示する

スマートフォン表示用の情報をスキップ

第1次答申 3・おわりに

ページ番号6357

2012年12月25日

 

 3 当面する課題

 

諮問された事項に関連して,当面する課題として急を要する以下の2点について,提言する。

 

(1) 堀川高等学校音楽科分校の独立本校化
 文化・芸術は人間形成に重要な役割を果たしてきているが,とりわけ科学技術の進歩の著しい時代にあって,豊かな感性や情操を育む上でその意味は大きい。
 21世紀においては,自ら考え,創造し,表現することができるような豊かな個性を尊重することとあわせて,美的な感性や,やさしさなども大きな価値をもつことになる。京都市は,「文化首都」の名にふさわしい歴史と伝統をもち,本年10月には,クラシック音楽の殿堂として,京都コンサートホールを開館した。文化の創造・発信を通じて,個性ある文化が出会い,相互に受信し,影響を与えあうことにより,新たな文化創造が行われることとなる。その担い手となる若い音楽家を,「文化首都」京都で育成する積極的な姿勢が,これまで以上に重要になっている。
 堀川高等学校音楽科は,昭和23年に我が国初の音楽科として設置され, 40年余りに及ぶその歴史の中で,世界的に著名な音楽家を輩出してきた。
 また,150回に及ぶ定期演奏会を行うなど,学習成果を広く市民に発表するとともに,近年は,小・中学生を対象にしたスクールガイダンスや市内各地域における音楽指導にも積極的に取り組んでいる。
 昨今,近畿の各府県に音楽科ないしは音楽コースが設置されてきており,堀川高等学校音楽科の独自性,特色,存在理由をより明確にして,小・中学生や保護者ならびに市民に訴えていくことが必要となってきている。したがって,さらに積極的なアピールを行うことが直面する課題であり,そのためにも,これまでとは違った新しい堀川高等学校音楽科の実現が不可欠である。
 21世紀に向けて,教育内容の改善も検討しつつ,早期音楽教育のための小・中学校との連携の在り方,京都市立芸術大学との連携の在り方など,音楽科専門高等学校としての理想像を追求するとともに,京都の音楽文化の普及・向上を図るためにも,堀川高等学校音楽科分校の独立本校化は重要な課題であり,本構想委員会は,その早急な実現を提言する。

 

(2) 堀川高等学校の校舎新築
 堀川高等学校は,明治41年創立の京都市立高等女学校をその前身とする伝統ある高等学校であり,戦前の建物の割合が6割を占めている。さらに,生徒急増期には,運動場の狭隘化を防ぐため,やむなく校舎屋上に教室を増築しており,施設面における限界状態が続いていることから,その建替は急務である。
 校舎新築に際しては,先に述べた21世紀に向けた京都市立高等学校の在り方を十分に踏まえた教育内容の充実を図ることはもちろん,中学校と京都市立高等学校の連携や,京都市立学校全体の活性化を推進する情報発信基地など,教育センター的な機能を志向し,それを可能とするものを検討すべきであり,本構想委員会としても,今後必要な時期にそれらについて具体的に提言したい。
 また,市内中心部に位置するという立地条件の良さや今後の生徒数の減少を考慮し,通学区域や学校規模の適正化などを,学校等からの要望とあわせて検討することが必要であるが,同校の場合,その敷地面積等から学校規模は各学年5~7学級程度が適当である。


 

 おわりに

 

 本構想委員会は,現在の京都市の厳しい財政状況は十分認識しつつも, 21世紀の京都を担う人材の育成において不可欠である高等学校改革の早期実現について,京都市当局をはじめ関係各機関がその認識を共有されるよう要請するものである。
 京都市教育委員会におかれては,提言の趣旨を踏まえ,関係各方面の理解と協力を得ながら,早期に施策に着手されるよう期待する。
 本構想委員会は,学校週5日制の完全実施や産業構造の変化の中での就職問題等も視野に入れ,たくましく思いやりのある生徒の育成をめざす新しい教育システムの構築とそれにふさわしい施設設備の整備,生徒自らの主体的学習活動の支援とそれを可能にするような教育条件の整備,及び生涯学習社会に配慮した教育条件の整備など,21世紀を展望した魅力ある新しい京都市立高等学校の在り方に関わる教育内容,教育条件の両面にわたって,国など関係機関の動向にも注目しながら,今後も検討を続けるものである。

 

 

 

<戻る  目次へ  次へ>


 

お問い合わせ先

教育委員会事務局 指導部 学校指導課
電話: 075-222-3811 ファックス: 075-222-3759