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京都市教育委員会

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第1次答申 1

ページ番号6332

2012年12月25日

 

1 検討の視点

 

 本構想委員会は,21世紀を展望した魅力ある新しい京都市立高等学校の在り方を明らかにすることを課題としている。そのためには,高等学校教育を取り巻く状況と京都市立高等学校の歴史・伝統を踏まえ,新しい世紀を拓く人間の育成と個性の伸長,進路保障を目指す教育内容,及びそれにふさわしい校舎新築をはじめとする施設等教育条件の在り方について明らかにすることが必要である。
 これらの検討を進めるうえで,本構想委員会は,基礎基本を重視し個性に応じた教育を基本的な軸として,次の4点を検討の視点とした。

 

(1) 一人ひとりの個性の尊重
 科学技術の高度化,情報化,国際化などの進展に伴い,急激な社会の変化が進行し,生活意識も変容してきている。今後は従来にも増して生徒一人ひとりを大切にした教育を進める必要がある。「一人」を尊重する教育は,一人ひとりが互いに尊重しあうことにつながらなければならない。生徒の個性を具体的かつ肯定的にとらえ,各自の優れている点をより伸長させ,多様な能力・個性を有する生徒のそれぞれが力を伸ばし,自己実現に向かって自らの進路希望を達成できるように,画一的でなく個に応じた柔軟な教育システムを開発することが求められている。

 

(2) 変化に対応する力の育成
 21世紀においては,社会はさらに大きく変化することが予想される。激しい変化の時代を生きるために,適応力や自己変革の必要性が強調され,新奇なるもの,人目を引くものへの関心が高まっている。しかし,変化への適応力や創造性は,基礎基本を正しく修得した上に築かれるものである。知識や技能を一方的に教え込むのではなく,基礎基本を重視し,それを生徒自身が主体的に発展させていく学習活動への転換が求められる。

 

(3) 生涯学習社会への対応
 激しく変化する社会では,生活全般にわたって,絶えず新たな知識や技能を修得することが必要である。自由時間の増大,興味・関心の多様化などから幅広い多様な学習活動も増加している。また今後,高齢化社会への移行が進み,生涯学習のニーズが一層強くなるものと思われる。学校教育はそれ自身で自己完結するのではなく,学校教育修了後あるいは学校外の学習活動と発展的に結びつくものでなければならない。生涯学習社会が進展するに伴い, 学校の持つ機能は一層その重要性を増している。生涯学習において学校には,個々人が生涯にわたって主体的に学習する能力を形成するとともに,学校が 持ち備える人的・物的機能を広く地域に開放し,多彩な学習の場や機会を提 供することが求められている。

 

(4) 京都の地域的特性の尊重
 京都は古都としての永い歴史と,文化の創造や情報の発信を続けてきた伝統を持っている。同様に京都市立高等学校も,市民の期待や要請に応え,先駆的で特色ある取組を進めてきた永い歴史と伝統を持っている。それらを継承するとともに,未来に向かって新しい情報発信を続けてきた京都の特性を活かし,京都市立の高等学校らしい教育内容や校風などの特色が求められる。校舎の新築をはじめ,施設等教育条件の整備に関しても,京都にふさわしい伝統の保存に努めると同時に,様々な角度から京都の文化を学ぶことも含めて,多面的な学習活動を可能とする新しい発想が望まれる。

 

 

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