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京都市北区

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第1章-2 まちづくりの方向性と課題

ページ番号93695

2011年3月8日

 北区民円卓会議,北区基本計画策定懇談会,北区基本計画策定100人委員会での議論,アンケート調査等においてわかったことは,次のとおりです。

1 まちの良いところ(資源),気になるところ(課題)

 北区民にとって,北区のまちの良いところとして一致するのは,「豊かな地域性,人と人とのふれあい・交流,治安の良さといった居住環境の素晴らしさ」,「美しい山なみ,賀茂川の清流,歩いて楽しいまちといった自然環境の素晴らしさ」です。

 北区民は,このまちに大きな満足を感じており,「北区に住んでいることへの誇り」を共有し,「北区はいいまち」だという想いを一様に持っています。その一方で,バスの運行など交通の便が不便なこと,保育環境に不安があること,町内会等のコミュニティ活動の後継者が年々少なくなっているなどを課題に感じています。

2 まちづくりの方向性

 区民が描く10年後の北区のまちの姿をまとめると,次のような北区のまちづくりの方向性が浮かび上がってきます。

  • 活気のあるまちにしたい
  • 幅広い世代が安心して暮らせるまちにしたい
  • 安心・安全・健康のまちにしたい
  • 区民のふれあい・交流の盛んなまちにしたい
  • 自然・環境・文化を大切にするまちにしたい
  • 大学との交流のあるまちにしたい
  • 快適で便利なまちにしたい

3 まちづくりの課題

 前述のまちづくりを進めていくうえで「まちの資源をどのように生かすか」について,北区基本計画策定100人委員会では次のような検討が行われました。

「活気のあるまち」に向けての課題

  • 北区には,大規模な工業団地や業務地区はありませんが,特色ある伝統的な産業がまちに息づいています。上賀茂や大宮,柊野などの地域では,すぐき菜や賀茂なすをはじめとする京野菜が盛んに栽培されており,全国的な知名度があります。今後は,伝統野菜や京野菜の消費(地産地消)拡大に向けた情報発信の強化,一部地域で深刻化している耕作放棄地対策や獣害対策が求められています。
  • 南部の紫野,柏野一帯は,京都を代表する伝統産業である西陣織の生産地です。北部山間地域は林業で知られ,全国的にも知名度の高い北山丸太が生産されています。これらの産業は,脈々と受け継がれてきた歴史ある伝統産業ですが,生活様式の変化や不況等に対応するため,新たな用途の開発やより一層のPR強化が求められるとともに,北区らしさを構成する要素として,区民にとって身近なものとしていく取組が求められています。
  • 地域の生活を支え身近な賑わい空間として区民に親しまれている商店街については,より地域に根ざしたサービスの展開などによる活性化が求められています。

「幅広い世代が安心して暮らせるまち」に向けての課題

  • 北区には豊かな自然や公園などが整っているとともに,子育てを支援する子育てサロン,ボランティアによる子どもの通学を見守るみまもり隊,地域住民による放課後まなび教室など北区ならではの区民による子育て支援の取組が進められています。今後は,これらの地域資源を一層活用するとともに,地域による子育て情報発信の充実が求められています。

「安心・安全・健康のまち」に向けての課題

  • 北区では,地域住民による福祉活動が活発に行われており,住民相互の助け合い精神が息づいています。年々高齢者が増加する中,ひとり暮らしの高齢者への生活支援など,地域で高齢者を支える仕組みづくりがさらに重要になってきています。
  • 福祉の担い手の高齢化も進む中,地域が行政や福祉に関係する団体等と連携・協働しながら,元気な高齢者の力を地域の活動に生かしつつ,住民相互に支え合う活動の輪を広げていくことが求められています。
  • すべてのひとの人権が尊重されるまちづくりを推進するとともに,高齢者と若い世代,障害のあるひととないひとの交流など様々な交流の機会の創出や,地域活動の拠点,憩いの場を確保していくことも必要です。
  • 健康への関心が高まる中,生涯を通じた健康づくりや食の安全に関する対策を進めていくことが求められています。
  • 北区の災害や犯罪の発生件数は関係者の努力によって低位で推移していますが,狭隘道路や袋路,空き家,古い長屋等の密集する市街地においては,まちの安全性を向上させていくことが求められています。
  • 区民に信頼されている消防団,自主防災会などの団体については,団員の減少,高齢化が進んでおり,後継者を育成していくことが必要です。
  • 交通安全の面では,放置自転車,無灯火自転車,無謀なバイクの運転等に対する対策として,自転車やバイクに関するマナー向上が必要となっています。

「区民のふれあい・交流の盛んなまち」に向けての課題

  • 自治会,地域団体において,それぞれの地域の実情を踏まえたきめ細やかなまちづくりの取組がなされていますが,多くの自治会で加入者の減少,役員の高齢化などの問題を抱えています。役員の負担の軽減を図るとともに,区民が参加しやすい活動に見直していくことが求められています。
  • 自治会活動の次世代の担い手の育成や各種団体間の交流,地域情報の交換の促進など,活動しやすい環境づくりも求められています。
  • 区民主体の文化活動として,趣味のサークル活動,生涯学習活動等が運営されているほか,区民運動会などのスポーツイベントも活発に行われており,区民の健康,体力づくりだけでなく,地域住民のふれあいの場としても役立っています。これらの活動により多くの区民が気軽に参加できるようにしていくため,内容の工夫や指導者の育成,若い世代の参加を促していく必要があります。

「自然・環境・文化を大切にするまち」に向けての課題

  • 北区には,賀茂川の清流や船岡山の緑などの豊かな自然,天然記念物などの貴重な動植物が豊富にあります。これらを北区固有の区民共有の財産として守り続けていくとともに,教育や観光など様々な分野で活用していくことが求められています。
  • 区民によるリサイクル活動や学校・保育園における環境を守る取組などが進められており,より一層環境を大切にするまちづくりを進めていく必要があります。また,ポイ捨て対策や山間部の不法投棄対策などに取り組むことも必要です。
  • 北区には,世界遺産である賀茂別雷神社(上賀茂神社)や鹿苑寺(金閣寺)などの神社仏閣,豊臣秀吉によって築かれた御土居,伝統的なまちなみなど歴史的な文化財や,五山の送り火,葵祭,やすらい祭などの伝統行事が数多く受け継がれています。隠れた地域資源も多く,これらを次世代へ継承するとともにまちの魅力を高める地域資源として北区内外に向けて情報発信するなど,積極的に活用していく必要があります。

「大学との交流のあるまち」に向けての課題

  • 北区には4つの大学(大谷大学,京都産業大学,佛教大学,立命館大学)があり,北区は大学のまち,学生のまちという面を持っています。学生と地域住民との交流には課題もありますが,まちの活力向上のため,学生の地域活動への積極的な参加を促すととともに,大学が持つ知恵をまちづくりに活用していくことが求められています。

「快適で便利なまち」に向けての課題

  • 北区には,自然環境や歴史的な文化財と調和した都市インフラの整備が求められています。交通面では,地下鉄・バスなど公共交通機関の利便性向上と道路の整備が求められています。
  • 公園が不足している一部の地域については,憩い・遊びの場を確保していく必要があります。
  • 観光地周辺を中心として「歩くまち京都」を推進するとともに,公衆トイレの設置や案内標識の整備など,快適に観光できる環境づくりが求められています。
  • 北部山間地域については,生活交通の維持が求められています。市街化調整区域においては,集落の維持・活性化を図るための有効な手法を検討する必要があります。
  • 宅地化や人口増加に対応した基盤整備に課題のある原谷地域については,まちづくり計画に基づく着実な基盤整備が求められています。

お問い合わせ先

北区役所 地域力推進室 総務・防災担当 企画担当
電話: 075-432-1199 ファックス: 075-432-0388