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区長の日記バックナンバー 21

ページ番号34827

2012年4月9日

区長の日記 バックナンバー


●平成20年 1月31日木曜日 霧ヶ谷の滝

 

平成20年1月31日木曜日― ― ― ― ― ― ― ―

 北区の中で人が住んでおられる最北地は,大森です。国道162号線沿いの北区役所小野郷出張所からわき道にそれ,約5kmのところに約150人程の方が生活しておられます。建築銘木として有名な北山杉に携わる林業従事者が多い地域です。
 その東端の地域である大森東町のそのまた奥に見事な滝が流れ落ちていることはほとんど知られていません。水が細かい霧のように散りながら落ちるために「霧ケ谷の滝」と呼ばれている高さ25mの清楚な滝は,まさに秘境の名瀑です。最近は巨大なつららができる程度ですが,昔は滝全体が凍ったこともあったようです。
 今年は雪がよく降り水量が多いためか,訪れたこの日はつららもほとんどできていませんでしたので,3年前の写真と見比べてください。(左が当日の滝,右が3年前の滝)

 

霧ヶ谷の滝
上:京都市有形文化財椋本家 下:安楽寺

 

 ひっそりとした集落内は,茅葺の家や畑が真っ白におおわれて,同じ北区内とは思えない雪国そのものの風情がただよっていました。(写真は、京都市有形文化財 椋本家)

 大森も含め,北区の山間地域は悲運の皇子「惟喬(これたか)親王」にまつわるところでもあります。第55代文徳天皇の第1皇子である惟喬親王は皇太子になる位にありましたが,時の権力争いの影響を受けて弟にその座を奪われ,晩年,北山地域の大森,小野郷,雲ケ畑に住まれて,いくつかの寺を建立されました。大森にある安楽寺もそのひとつで,木造薬師如来坐像など4体の仏像は京都市の有形文化財に指定されているそうです。「これを国宝に指定してもらいたい」と地元の方は話されています。
 この大森もご他聞にもれず,過疎化に悩んでいます。65歳以上が50%近くを占め,地元の壮年の方いわく,「準限界集落の中では,私らはいつまでも若手や」とのこと。笑い話ではすまないと思います。あと2,3年すると,大森に小学生がいなくなるともいわれています。
 北山三学区の共通の問題ですが,若い世代を増やして活気づけることは大きな課題です。このままだと衰退してしまうでしょう。
 行政としても真剣に考えなければならない問題ですが,北区民の皆様のよいアイデアがあれば教えていただきたいと思います。
 全部凍った霧ケ谷の滝を見たかったなぁ,と後ろ髪を引かれながら大森を後にしました。

 

 

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