スマートフォン表示用の情報をスキップ

京都市北区

言語選択を表示する

検索を表示する

スマートフォン表示用の情報をスキップ

区長の日記バックナンバー 19

ページ番号34825

2012年4月9日

区長の日記 バックナンバー


●平成19年12月13日木曜日 すぐき漬

 

平成19年12月13日 木曜日 ― ― ― ― ― ― ― ―

 北区の冬の風物詩の一つ,上賀茂の名産「すぐき漬」の生産者である南野信一さん宅を訪れました。
 「すぐき漬」は,京野菜の一つである「すぐき菜」を塩漬けにし,発酵させてできる漬物で,近年,植物性乳酸菌を含んでいる食品としても注目を集めています。
 「すぐき漬」は,次のような作業を経て,おいしくできあがるそうです。

収穫
面取り

1 面取り・荒漬け
  まず,丁寧に収穫した「すぐき菜」の根部の皮を包丁ではぎ取り,残りの皮の部分を皮むき器でむき,直径2メートルほどの大きな樽に,塩と交互に入れ,重圧を加えて,一昼夜「荒漬」します。

本漬

2 本漬
 漬け込んで柔らかくなったものを水洗いし,樽に渦巻状に漬け込み,1段漬け込むごとに塩をふり,「本漬」します。

天秤押し


3 天秤押し・追漬
 本漬したものを「天秤押し」します。長さ4~5メートルの丸太の先端に重りをつけ,てこの原理を応用して,樽に重みをかけて約1週間漬けます。この途中で,すぐき菜のかさが減った分を足し,樽いっぱいになるように「追漬」していきます。この作業は,漬かり具合によって丸太のかけ方や重りを調整するなど,特に熟練を要するとともに,危険な重労働でもあります。

4 室入れ
 漬込みの終わった樽を「室(むろ)」に入れ,温度を30~40℃で調整しながら,約1週間発酵させます。残念ながら密閉されているため,「室」の中は見られませんでしたが,周りには「すぐき漬」独特のにおいが漂い,発酵していく様子が感じられました。昔から「室は洗わないように」と伝えられ,菌などの環境も代々受け継がれてきたそうです。

5 出荷
 「室入れ」の終わった樽は,2~3日出して冷まして,「すぐき漬」として出荷されます。「すぐき漬」は,塩以外に何も加えず,「すぐき菜」が本来持っている乳酸菌を発酵させてできるそうで,農家によって異なるといわれる味は,塩加減や「室」での発酵によるものだそうです。また,「すぐき菜」は,寒いほうが品質の良いものができるそうで,近年の暖冬で栽培にも苦労されているそうです。地球温暖化の影響がこのようなところにも現れていることを感じました。

 「すぐき漬」を漬けている11月ごろから1月ごろまでは,毎日朝早くから休みなく,天気にかかわらず,重労働の天秤の調整や「室」の管理など続けられているのに頭が下がります。若者に敬遠されそうな負担の大きい作業が多い中でも機械をうまく利用しながら漬け込むなど,若い後継者が生まれてきているそうで,約300年前から上賀茂地域で伝承されてきたこの「すぐき漬」をぜひとも未来につなげていただきいとの思いを強くしました。


関連コンテンツ

区長の日記バックナンバー 目次

お問い合わせ先

京都市 北区役所地域力推進室総務・防災担当

電話:庶務担当:075-432-1197、地域防災担当:075-432-1199、統計調査担当:075-432-1199、企画担当:075-432-1199

ファックス:075-432-0388