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「橋博士」を目指す方へ

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2023年11月14日

三条大橋の高欄の材料

 三条大橋の特徴の1つである木製高欄の材料について,紹介します。

木製高欄の希少性

  京都市の管理する約2,900の橋りょうの中で,木製高欄を有する橋りょうは10橋程度確認であり,歴史的な背景及び大規模な親柱や地覆を有していることを含めて,三条大橋の木製高欄は大変希少なものです。

高欄の木材

   昭和49年の更新の際には,良質な台湾産桧を使用しました。

 台湾産桧は,台湾北中部の高地に分布しており,国内産桧と似た性質を持っており大口径の資材の入手が容易であったことから,寺社建築に多く使用されていますが,現在は伐採が禁止されており,入手することが非常に困難です。
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擬宝珠や飾り金具の金属

  擬宝珠(左側の写真)や飾り金具(右側の写真)などの金属は青銅で作成されています。飾り金具等は,高欄の木材と同様に昭和49年に更新されており,擬宝珠には,「天正18(1590)年に豊臣秀吉が三条大橋を架けたこと」が刻まれています。

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三条大橋の構造

 木製高欄の構造や部材について,紹介していきます。この機会に「橋博士」を目指してみてはいかがでしょうか。

部材

高欄の構造

 三条大橋の高欄は「擬宝珠高欄」と呼ばれる形式です。擬宝珠高欄は,社寺建築の階段や縁側をモデルとしたものであり,多くの公儀橋(こうぎばし。当時の権力者が架橋,維持管理した橋)に用いられています。

擬宝珠(ぎぼし)

 高欄の親柱,袖柱,中柱の上に設置される装飾金具。宝珠(ほうしゅ)型の頭部と円筒形の胴部からなり,雨水などによる木材の腐食を抑える役割もあります。現在の三条大橋では,12基設置されています。

親柱(おやばしら)

 三条大橋の両端にある部材であり,三条大橋の象徴とも言える擬宝珠を支えています。直径は48cmであり,高欄で最も太い部材です。また,床版を貫通して,橋の下側にある板材(桁隠し)と連結されています。

擬宝珠

袖柱(そでばしら)・中柱(なかばしら)

 親柱と同様の構造であり,橋の端部にあるものが袖柱,高欄の中間に位置しているものが中柱です。現存するのは西側の袖柱のみですが,過去には東側にも袖柱がありました。

架木(ほこぎ)・平桁(ひらげた)・地覆(じふく)

 高欄を構成する横方向の部材であり,最上段にあるのが架木,中段が平桁,下段が地覆です。架木は円形断面であり,平桁,地覆の上部には勾配が設けられており,雨水が溜まりにくい構造となっています。

参考文献

 村松博「江戸の橋」

建設局土木管理部橋りょう健全推進課の取組み

「京(みやこ)の橋しるべ」
  「いのちを守る橋りょう健全化プログラム」や,京都市内にある歴史的な価値のある橋を紹介しています。

「京都市橋りょう長寿命化修繕計画」
 老朽化が進んでいる橋りょうの修繕を行うとともに,予防保全型の維持管理による「長寿命化」を目指し,今後の維持管理の考え方を示したものです。

「いのちを守る橋りょう健全化プログラム」
 耐震補強と老朽化修繕を並行して効率的・効果的に推進するため,5年を区切りとした具体的な目標を示したものです。

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お問い合わせ先

京都市 建設局土木管理部橋りょう健全推進課

電話:075-222-3561

ファックス:075-213-5181

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