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まちねこと家庭動物相談所(その2)

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2012年6月4日

家庭動物相談所で,まちねこがどんなふうに過ごしているかをご紹介!

 前回のリポートでは,京都市の「まちねこ活動支援事業」の現在の状況をご報告いたしました。

 まちねこたちの避妊・去勢手術は,公益社団法人 京都市獣医師会のご協力をいただきながら,京都市家庭動物相談所で行っています。まちねこ活動に興味のある方,すでに「まちねこ活動地域」として取り組んでおられる方も,保護した猫たちが家庭動物相談所でどのように過ごして,手術されているのか気になるところですよね?

 今回は,保護した猫を搬入してから「まちねこ」として地域にお返しするまでの様子をリポートいたします!

 

まちねこたちが相談所にいる間・・・

 手術の順番が回ってきたまちねこ活動地域の方で,手術予定日の2~3日前に地域の野良猫を保護し,保健センターに搬入していただきます。そこから相談所職員が家庭動物相談所に猫を搬入します。

 搬入された猫は,相談所職員が性別,体重,すでに手術が済んでいる跡がないかなどを確認し,下の飼養ケージに移します。おとなしい子は楽チンなのですが,基本的にみんな野良猫なので警戒心が強く,威嚇してきたり猫パンチ猫キックをくりだしてきたり,すごいダッシュで逃げようと突進してきたり・・・結構危険だったりします。猫も必死ですが職員も必死です。

 知識と経験を生かし,猫も職員も怪我のないように扱います。

ケージの奥に黒く見えているのがまちねこ。隅っこが好きです。

猫はこのようなケージで飼養しています。猫舎は冷暖房完備!

 ケージを新聞で覆って暗くしてやると少し猫も落ち着くようです。ケージに猫の情報を記入した札をつけて,確実に個体識別をしています。

 ケージ内のトレーに新聞を敷いてやり,エサと水,猫トイレを入れています。1日2回のケージ掃除とエサやりをします。ケージは底のトレーを引き出せる構造になっていますので,扉を開けずに安全に掃除を行うことができるんです。

 こうやって手術の日まで,飼養管理しています。人懐っこい子は,「なでて~なでて~」と甘えてきますし,警戒心の強い子は,奥で丸まって固まっていたり,人の顔を見るたびに「シャー!」っと警戒したりします。怖がりの子は,食欲もなかったりしてちょっと気の毒になったりします。そりゃ,こわいよね・・・「ここどこやねん!アンタ誰やねん!」とでも言いたげ(に見える。私には・・・。)。

 職員はなるべく快適に安心して過ごしてほしいと思って工夫しますが,警戒心の強い猫にとってはどうしてもストレスが強くかかってしまいます。がんばって!!

いよいよ手術の日です!

 健康状態に問題がなければ予定どおり手術となります。

 オスは,精巣摘出術。メスは,卵巣子宮全摘出術または卵巣摘出術を行います。

 前日の夕方から絶食,手術当日は朝から絶飲食です。安全に麻酔をかけるために,少し我慢してもらいます。

 猫を興奮させないように注意しながら,注射で麻酔薬を投与すると,麻酔が効いてきて徐々に力が抜けてきます。力が抜けてきたところで手術台に上げて,マスクで吸入麻酔をかがせながら,手術に適切な麻酔深度を管理します。

 

マスクをかぶって酸素と麻酔を吸入。

麻酔が効いてきたので,手術台に保定し術野の準備に入ります。

 手術をする部分の毛を剃って洗浄消毒し,滅菌した布で猫を覆って手術部分の周囲を衛生的にします。

 手術する獣医師,助手の獣医師ともに帽子,マスクを着け,よく手指を洗浄消毒したのちに滅菌したガウンと手袋を装着します。手術に使用するメスや鉗子などの器具類も,もちろんすべて滅菌してあるものを使います。

 つまり,猫の手術部分に触れる可能性のあるものはすべて滅菌されたものを使用するんです。そうやって手術中の細菌感染などを防ぎ,安全な手術が行えるのです。

手術風景です。

手術する獣医師と助手の獣医師が猫を挟んで向かい合って手術を行います。
他にもうひとり麻酔を管理する獣医師がいます。
京都市獣医師会の先生と相談所職員とで,手術をしています。


手術中に使っている心電図モニターです。


丁寧に手術をしています。
手術部分以外は,滅菌された布で猫の体を覆います。通常,手術中の出血はとても少なくて済みます。

 雄は精巣,雌は卵巣子宮または卵巣のみの摘出の後,きちんと止血ができているか出血などがないかよく確認します。

 皮膚の縫合にはいれば,手術も終盤です。

 まちねことして避妊・去勢手術が済んでいることがわかるように,猫の両耳の内側に入れ墨をいれます。アルファベット「K」+3ケタの数字を入れています。これは,手術が済んでいるのに再度保護され,麻酔や手術を受けさせてしまう危険性を防ぐために大切なことです。

 猫はすばしっこくてわかりにくいかもしれませんが,よく見ると耳に「K430」のような記号が入っている野良猫を見かけることがあるかもしれませんね!そのこは,まちねことして活動グループさんを中心に地域でお世話されていて,避妊・去勢手術が済んでいるということになります。エサやトイレもきちんと管理されていますので,むやみにエサを与えないでくださいね。

 皮膚の縫合,耳の入れ墨が済めば手術は終了です。

 猫が麻酔から覚醒するのを待ちます。フラフラしながらも,頭を持ち上げてきたら一安心。あとは,ケージに戻して安静にしてもらい,時々様子を見に行きます。

 よく頑張ったね!!無事手術終了ですよ。おつかれさま!ちょっと手術跡が痛いけど,我慢して安静にしていてね。

地域にまちねこをお返しします!

 手術後,ケージで安静にしながら飼養管理します。2~3日して元気や食欲に問題がなく,手術創も化膿や出血や開くことなくきれいにくっついていることを確認し,まちねこ活動グループさんの立ち会いのもと,まちねこをもといた地域にお返しします。

 地域でケージのドアを開けるやいなや「やっと地元に帰ってきた!」「まったくなにすんねん!もうほっといて!」とでも言いたげに,振り返ることなくダッシュでお気に入り(かどうかは不明ですが)の茂みや,物陰に隠れてしまいます。

 久しぶりに,テリトリーを見まわったり,猫にご挨拶したりするのでしょうか?せっかく手術も済んだんですから,とにかく元気で天寿を全うしてほしいと願います。あとは,地域の活動グループさんにバトンタッチ!お世話頑張ってくださいね!

「まちねこ活動」の相談窓口はこちら!

 「まちねこ活動」について,どうやって取り組むのか知りたい,相談したいという方は,各区の保健センター衛生課が窓口になっておりますのでお問い合わせください。

 また,詳しい事業内容はこちらをご覧ください!

【おまけ】 「まちねこ」あるある

何回も保護されちゃう猫・・・。

 保護カゴに入った猫さんを見てみると・・・「また君かい?」。手術が済んでいるのに,前も保護カゴに入って怖い思いしたくせに,すぐ忘れるタイプなのか,保護カゴに仕掛けてあるエサがそんなに魅力的なのか,同じ猫が保護されること結構ありますよね~。「君じゃないあっちの子を保護したかったのに・・・」。地域の方に伺うと,ボスみたいな猫は,警戒心が強く保護カゴに近づきもせず苦労するそうですよ。

地域でかわいがられていて,名前をたくさん持つ猫

 同じ猫なのに「ミケちゃ~ん」「イチゴちゃん」「モモ」「たまちゃん」などなど・・・。いろんな人にかわいがられて,みんな呼びたいように呼んでいるのでこんなこともあります。気が付くと面白い発見になりますね。ちなみに私の実家では黒猫を飼っていますが,父は「クロ」母は「コゲちゃん」と呼んでいます・・・。

お問い合わせ先

京都市 保健福祉局医療衛生推進室京都動物愛護センター

電話:075-671-0336

ファックス:075-671-0338