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京都市資産有効活用基本方針(概要)

ページ番号123656

2021年7月30日

はじめに

 この基本方針は,資産(土地及び建物その他定着物)の所管局等と行財政局が連携し,全市的な観点のもと,各資産の有効活用の可能性を精査し,最も効果的な活用方法について検討,推進していくことができるよう,その基本的な考え方や体制及び仕組みについてまとめたものである。

 今後は,この基本方針のもとで,各資産が有するポテンシャルを十分に引き出し,最大限に有効活用することにより,本市施策のより一層の推進を目指していくこととする。

 

第1章 背景と課題

1 資産活用に関する背景

(1)資産有効活用の取組と成果

 ア 売却の促進

  • 平成21年度から,一般競争入札回数を増加(年1回⇒年2回)
  • 平成20年度~23年度(4箇年)の売却実績:合計202件,約125億円

 イ 公募による行政財産の目的外使用許可等(自動販売機の設置等)の取組の推進(平成21年度~)

 新規取組による増収額 平成21年度:約4,700万円,平成22年度:約4,400万円,平成23年度:約2,500万円

 ※ 引き続き,取組を拡大中

(2)外部からの指摘

 ア 平成21年度包括外部監査

 各局等単位ではなく,市全体の視点で財産全体について精査し,売却可能な資産の洗い出しを行うべき。また,財産全般について,有効利用されていないものを把握し,早期に処分できる仕組みづくりが必要。

 イ 京都市財政改革有識者会議「京都市の財政改革に関する提言」(平成22年10月)

 全ての資産を対象として,売却や他用途への転用など,計画的な取組をすすめる必要がある。

2 今後の課題

(1)資産有効活用に対する意識の向上

(2)全市的な観点に基づく資産有効活用の検討に係る仕組みづくり等

  • 資産の活用方法を検討するうえでの行財政局の役割の明確化及び体制強化
  • 資産情報,需要情報の集約・一元管理 
  • 企業等の市内立地など,民間側の不動産ニーズに対応し,円滑かつ迅速な実現を後押しする仕組みづくり

(3)資産有効活用等による年間50億円の財源確保(「はばたけ未来へ! 京プラン」実施計画)

 

第2章 資産有効活用を進めるうえでの基本的な考え方

 「資産」は,政策実現のための重要な「経営資源」であり,これを十分に活用しなければ「機会損失(※)」が発生するため,結果的に市民に負担をかけてしまうということを再認識し,あらゆる資産を最大限に有効活用することで,市民サービスの向上,財政の健全化,市民生活や地域経済を含めた市全体の発展・活性化を目指す。

  • 市有資産の有効活用に当たっては,市が主体となる事業のほか,貸付・売却により,他の公的機関や民間を主体とする事業を含めて検討し,公共性・公益性を重視した政策的な活用を図る。
  • 公共性・公益性を重視した利用では十分な活用が見込めない市有資産については,財源確保という観点からも,積極的に売却を進め,社会全体で有効に活用する。
  • 継続して保有・利用していく市有資産の余剰スペースについても,積極的に貸付等を進め,更なる財源の確保を目指す。
  • 関連部局の連携のもと,市有資産だけではなく,国・府有地,更には民有地に係る情報の収集等にも努め,幅広い観点から企業や大学等の市内立地の促進に寄与することを目指す。

 ※機会損失:実際に発生した費用・損失ではなく,最善の行動をしなかったことで収入・利益を得られなかった場合の「稼ぎ損ね」の分を「損失」と捉えた経営学・経済学上の概念

 

第3章 資産有効活用の推進に向けた実施体制の強化と連携

1 資産有効活用のための財産統括部署の役割の明確化

 資産を最有効に活用するため,各局等の活用計画の精査及び調整,活用に当たっての課題整理に向けた支援,庁内や市民・民間事業者等からの資産に関する相談対応や提案受付などを,財産統括部署の役割として位置付ける。

<財産統括部署の果たす役割> 1. 資産の管理事務の統括  2. 資産の利用状況の調査,有効活用可能資産の抽出  3. 資産の有効活用促進策の企画立案  4. 資産の活用計画及び処分方針の調整  5. 資産の有効活用に向けた各局等への支援  6. 財産処分事務  7. 各局等が有する庁内外の資産及び資産需要の収集  8. 資産の活用に関する相談対応や提案受付

2 庁内ネットワークの構築

 公共施設の整備や企業・大学の誘致等,本市政策の実現に寄与するため,土地関連部署等による「庁内ネットワーク」を構築し,土地情報の一元管理,発信,共有の徹底を図り,機動的かつ迅速に土地情報を収集・提供する。

 また,公営企業,国,府との情報共有の強化などにより,更なる土地情報の収集や資産需要の把握に努める。

<主な関連部署>行財政局,総合企画局,文化市民局,産業観光局,都市計画局,区役所・支所,交通局,上下水道局,教育委員会事務局

3 資産活用推進会議の設置

 一定規模以上の資産等の情報を一元化し,多角的な観点から資産の利用・処分等について審議等を行うため,局長級で構成する「資産活用推進会議」を設置し,その審議の結果に基づき具体的な有効活用を進める。

<構成メンバー> 常任:行財政局長,行財政局財政担当局長,総合企画局長   非常任:資産の所管局区長等,活用案の関係局区長等,産業振興・企業誘致担当の局長,規制・指導担当の局長等,資産所在区の長等,その他関係局区長等

 

第4章 有効活用の早期推進

1 円滑な事前準備と商品価値向上の取組

 資産の有効活用のために必要となる事前準備を円滑に進めるため,財産統括部署が適宜所管部署をサポートする。また,資産の商品価値の向上を念頭に置いた課題整理を行い,より良い条件での活用を目指す。

2 市民等からの提案を生かす仕組みづくり

 資産の活用策について,本市があらかじめ活用の対象として特定した資産に限定せず,活用主体となる市民や事業者等による自由な発想に基づく提案を常時受け付ける「市民等提案制度」を設ける。提案のあった活用策については,社会的妥当性等について審査したうえで,実現の可能性が高いものについては,透明性や競争性の確保にも配慮しながら,提案内容を踏まえた有効活用を積極的に推進する。

3 具体的な活用の推進

 「1」,「2」の取組と並行し,民間ニーズや社会状況等を把握しながら,具体的な活用を進める。

 

第5章 資産の多様な売却方法の導入

 資産の売却は,一般競争入札を原則としつつ,各資産の実情に応じ,多様な売却方法から最適なものを選ぶ。

 <多様な売却方法の例> 条件付一般競争入札,価格競争型プロポーザル方式(二段階選抜,総合評価),価格固定型プロポーザル方式,特定一者との随意契約

 

第6章 資産の総点検と更なる有効活用

 更なる資産の有効活用に向けて,現状を詳細に把握するため,「資産の総点検」を行い,活用が可能な資産の掘り起こしを進める。

1 保有資産の現状調査

 各資産の利用状況や,活用を進めるうえでの制約・問題点等の情報を調査し,集約する。

(1)対象資産

 一般会計,特別会計及び基金に属する資産のうち,原則として,次のものを除く全ての土地・建物

  • 道路,河川,公園,学校など活用の検討になじまないもの(供用まで期間を要し,暫定利用が可能なものは対象)
  • 学校跡地など,別に活用方針や検討基準があるもの
  • 著しい狭小・変形など,一画地としての利用が困難なもの
  • 未来まちづくりプラン掲載資産など,活用方法が確定しているもの

(2)各局等における一次評価

 各局等において,資産の利用状況,今後の利用予定,活用に関する制約・問題点等についての情報を集約用フォーマットに記入する。

(3)情報の一元化

 行財政局は,資産の有効活用の検討や資産需要に応えられるよう,現状調査の情報を集約し,一元管理する。

2 資産の評価・分類

 集約した情報について,活用の障害となる事項等を洗い出し,必要に応じてヒアリング及び現地調査を行い,詳細に現況を把握したうえで,二次評価を行い,資産の分類を行う。

 <二次評価による資産の分類>

  • 継続利用資産 : 他目的での活用や売却等について検討する必要がなく,従来どおり利用すべき資産
  • 活用方法検討資産 : 他目的での活用や,売却・貸付等を検討すべき資産
  • 売却資産 : 利用する見込みがなく,将来的な需要に備える必要がないもののうち,明らかに活用方法を検討する必要性のない資産

3 資産情報の公開・活用方策の検討

 活用方法検討資産についての情報を公開し,活用方法の検討を進めていくことを広く周知する。そのうえで,庁内,国,府,更には企業等における資産需要の情報を把握し,情報公開の結果や,庁内外のニーズを踏まえながら,幅広い視野のもと,活用の検討を進める。

4 資産と需要のマッチング・最終分類

 これまでに収集・調査した情報を基に,資産と需要情報とのマッチングを行い,その結果を踏まえて資産の最終分類を行う。

(1)マッチングと活用案の策定方法

  • 資産と具体的な需要とを結びつけ,活用案を策定する。(公的利用・民間利用)
  • 利用度の低い資産を中心に,施設の移転・統合・集約案を策定する。(公的利用)
  • 市場調査のうえ,民間売却案を策定する。(民間利用)

(2)活用の優先順位

 活用の検討に当たっては,原則として公的な利用案を優先するが,その内容が資産の有する価値に見合わない場合や,施策としての実現性や優先度が低いと考えられる場合は,公的利用では十分な活用が期待できないものと捉え,公的利用の需要がない資産と併せて民間売却等を検討していく。

(3)資産の最終分類

  • 継続利用資産 : 従来どおり継続利用する資産
  • 用途追加・転用資産 : 新たな目的で本市が利用していく資産
  • 継続保有資産 : 当面の利用予定はないが,将来的な需要に備え継続して保有する資産,不要であるが,売却に適さない事情がある資産
  • 売却資産 : 利用予定がなく,売却することが望ましいとした資産

※ マッチング・分類後は,「第4章」の流れに従い,早期活用を図る。

 

実施スケジュール

 
 取組項目24年度 25年度 26年度  27年度
把握済みの未活用資産(未来まちづくりプラン掲載資産等) ⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒  
 資産活用推進会議・庁内ネットワーク⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒
 資産の総点検⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒  
 総点検に基づく有効活用検討・活用 ⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒⇒ ⇒ ⇒

 

 

京都市資産有効活用基本方針

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お問い合わせ先

京都市 行財政局資産イノベーション推進室

電話:075-222-3284

ファックス:075-212-9253

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