◆造血幹細胞移植について
造血幹細胞:造血細胞の移植を可能にする造血幹細胞とは,最も若い血液細胞で,この幹細胞から白血球,赤血球,血小板の全ての血球が分化することができます。自分自身が増殖しながら数を保つと共に,一部は白血球や赤血球や血小板に姿を変えて,体の血液細胞を保っています。造血幹細胞は骨髄の中に多く含まれることが知られていましたが,最近になって,化学療法の後や造血因子(G-CSFなどの血液を作るシステムを促進するホルモン)を使った後の末梢血にも存在することがわかりました。このことによって末梢血幹細胞の採取とそれを用いた移植が可能になりました。また,臍帯血(赤ちゃんが産まれるときのへその緒の中の血液)にも含まれることがわかり,小児や体重の少ない患者さんに対して用いられるようになって来ています。
造血幹細胞移植:造血幹細胞移植は,前処置,すなわち大量化学療法や放射線療法を組み合わせた強力な治療で患者さんのもともとの造血系(血液を作り出すシステム)を絶滅した後で,ドナーさんからいただいた造血幹細胞を輸注する事により新たな造血系を構築する治療法です。悪性腫瘍を根絶するために大量の抗癌剤や放射線照射を行いますが,すると,その副作用で血液を作り出す力がなくなってしまいます。それをドナーさんの造血幹細胞を移植することで救うという考え方です。また,再生不良性貧血のような場合には,患者さんの弱った造血幹細胞をドナーさんの強い造血幹細胞と入れ替えることによって治すことができます。
造血幹細胞移植の分類:造血幹細胞移植は,患者さんとドナーさんの関係で,同種移植,同系移植,自家移植に分類されます。他人(血縁者,非血縁者を含む)からの移植が同種移植,一卵性双生児からの移植が同系移植,予め保存しておいた自分の細胞を移植するのが自家移植です。また,造血幹細胞をどこからとるかで,骨髄移植,末梢血幹細胞移植,臍帯血移植に分類されます。

患者さんあるいはドナ-の方の末梢血から幹細胞を採取するときに用いるCS-3000プラスという機械です。採血しながら遠心分離を行い、幹細胞を採取しながら同時に他の細胞を患者さんあるいはドナーの方の身体に返血します。従って機械の見かけは大きいですが、実際に血液 として体外にあるのは約50cc程度に過ぎず、心臓などの悪い方でも末梢血幹細胞採取を受けることができます。

採取した幹細胞を無菌処理するクリ-ンベンチです。この中で無菌状態を保ちながら幹細胞を処理して、冷凍保存できるようにします。

造血幹細胞移植を受ける患者さんが入るベッドアイソレーターです。幹細胞が身体の中に入って増え始めるまでには、10日から2週間ぐらいの時間がかかります。この間患者さんは白血球や血小板が非常に少ない状態が続きます。特に白血球が少ないと細菌などの感染に弱くなり ますので、このようなベッドアイソレーターに入って頂いて感染をできるだけ防ぎ、幹細胞から白血球が増えてくるのを待ちます。