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京都市指定・登録文化財-美術工芸(南区)

ページ番号189562

2020年4月6日

京都市指定・登録文化財-美術工芸(南区)

木造大日如来坐像(もくぞうだいにちにょらいざぞう)

 目鼻や口等の顔の造作は小ぶりで,耳朶(じだ)や手首は極めて細く,足膝部にも繊細な趣が見られる。対して,体部には厚みがあり,衣文はは弾力を感じさせる丸みを持ち,宝髻の巻込みにはリアルな動きが感じられる。平安時代最末期の繊細な作風に鎌倉時代初期の写実的な作風を加味した美作。
木造大日如来坐像

木造夜叉形跪坐像(もくぞうやしゃぎょうきざぞう)

 ヒノキ材の一木造の夜叉形像。福田寺境内の小堂内に安置され,龍神像と称されて氏子達の厚い信仰のもとに守り継がれてきた像である。臂釧(ひせん)や褌(ふんどし)以外は何も身につけない像高60cm程度の裸形像で,口を閉じ,腕を胸前で屈臂し,二本の足指や獣耳をもつことから,本像は本来は兜跋(とばつ)毘沙門天像の左右に配される毘藍婆(びらんば)あるいは尼藍婆(にらんば)像であった可能性が高い。平安時代前期にまで遡り得る夜叉形の古例として貴重な作例といえる。
木造夜叉形跪坐像

梵鐘(ぼんしょう)

 本梵鐘は泉涌寺第14世月航全皎(がっこうぜんきょう)を大勧進とし,貞和4年(1348)に制作されたもの。その際,将軍足利尊氏やその弟直義から,鋳造を担当した七条大工と三条大工に各一頭の馬などが褒賞として下賜されたことが知られている。陽鋳で表された種子の書風,梵鐘全体の形姿や細部の文様の様式も南北朝時代の特徴を示す。
梵鐘

木造十一面観音立像(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう)

 本像は浄禅寺観音堂のご本尊である。浄禅寺は寿永元年(1182)文覚(もんがく)上人の開創と伝えられ,地蔵堂の地蔵菩薩像は京都六地蔵巡りの一「鳥羽地蔵」として親しまれている。本像は均整の取れたプロポーションで,背中の盛り上がりや腹部の肉のたるみが巧みに表現されている。一木造で,制作年代は10世紀と考えられるが,寺の創建を遡ることからは他所から移されたと想定される。ただ,いかなる経緯で浄禅寺に納められたのかは詳らかでない。平安時代に遡る彫刻の優品で,また,地元の信仰を集める点でも重要な作例である。
木造十一面観音立像

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京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課

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