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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.2(平成27年5月号)(HTML版)

ページ番号181543

2015年4月16日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.2(平成27年5月号)

輝きピープル  戦場カメラマン 渡部 陽一さん

戦時下の人権を守るため,伝え続けていきたい。

 

戦地に赴き、そこに暮らす人々に寄り添いながら、戦場の様子を写真で伝えてきた渡部陽一さん。人々の権利を全て奪う戦争を目の当たりにし、私たちにできることは何か語っていただきました。

 

アフリカ旅行で内戦に遭遇

 

 戦場カメラマンになろうと思ったきっかけは、大学時代に遡ります。生物学の講義で、いまだ狩猟生活を送る「ピグミー族」という部族がアフリカ中央部にいることを知り、この目で彼らの存在を確かめてみたいと旅行者として赴きました。しかし、それは無謀極まりない旅で、偶然出くわしたトラックに乗せてもらいながらジャングルを横断していきました。ある日、何の前ぶれもなく、少年ゲリラ兵が銃を乱射してきました。1993年当時、ツチ族・フツ族の衝突によるルワンダ内戦※が拡大しており、私はその最前線にかち合ってしまったのです。少年兵は私を銃で殴り続け、荷物を全て略奪。現金を差し出したことで、殺されずに済んだことは幸いでした。

 

 日本から遠く離れたアフリカの森でこのような蛮行が繰り返されている。帰国してから家族や友人に少年兵のことを言葉で伝えようとしても、全く理解されませんでした。言葉で伝わらないのであれば、好きな写真を使って伝えることはできないか。カメラを手にして現場に赴き、自ら見たものを撮影する。一枚の写真の力で状況を伝えることができるのではと考え、戦場カメラマンになることを決意しました。

 

※アフリカ中央部にあるルワンダにおいて、1990年から1993年にかけ、フツ系の政府軍及びインテラハムウェと、ツチ系のルワンダ愛国戦線との間で行われた武力衝突

 

戦争の犠牲者はいつも子どもたち。

親が子どもを想う気持ちは、私たち日本人と何ら変わりません。

 

戦争は人権を破壊する

 

 戦争が起こる理由は、民族や宗教間の争い、領土や資源の奪い合いなど実に様々です。しかし、どんなに大義があっても、そこに暮らす人々の生活は破壊され、人権は全て奪われます。想像してみてください。ライフラインは閉ざされ、学校も会社も破壊され、道路には地雷が仕掛けられている。家族と共に暮らす権利も、自由に学ぶ権利も、医療を受ける権利も全て奪われてしまうのです。そして命までも―。それが、戦争の恐ろしさです。

 

 さらに、戦時下にある国は封鎖され、メディアの報道も抑え込まれます。だからこそ、ジャーナリストや支援団体などが架け橋となって、現場の声を伝えていくのです。そこで初めて状況がはっきりと見えてくる。報道等で伝えていくことをしなければ、戦争が起こっていることすら知ることができません。そういう意味では、戦争がこの世に存在しないのと同じと言えるでしょう。実際に人々のSOSが全く外に伝わらず、「忘れられた戦争」と呼ばれる内紛も多く、私たちの知らない間に人々の権利が奪われてきました。我々ジャーナリストは、人々の生きる権利を守るべく必死に現場の声を伝え続けなければなりません。

 

犠牲者は子どもたち

 

 私が戦場カメラマンとして約22年間、世界中の戦場を取材してきた中で共通して感じたことは、戦争により最も傷付き、被害を被るのはいつも子どもたちであるということです。

 

 戦場では激しい銃撃戦が繰り広げられますが、その前線で、一つ屋根の下で暮らしている家族がいます。 仕事をしたり、学校で勉強したり、御飯を食べたり、私たちの日本での暮らしと同じように、家族の日常があるのです。親の子どもに対する想いは、私たちと何ら変わりません。その声を具体的に分かりやすく写真で伝えていくことが私の大きな使命だと思っています。子どもたちの声を届けたい、子どもたちが置かれている状況を知ってもらいたいと切に願いながら写真を撮る。今もその初心は全く変わっておらず、危険を伴ってでも戦場に出向く原動力となっていますね。

 

世界とつながろう

 

 私たち日本人にとって戦場での実態は身近に感じられないかもしれませんが、私たちの暮らしの中でも世界とつながる方法は色々あります。新聞やニュースを見ていると、疑問に感じることなどがあるはずです。その感覚が世界とつながるきっかけとなるのです。例えば、戦場の様子を伝えるニュースを見ていたら、逃げている子どもたちが靴を履いていないのはどうして?机ではなく、床にはいつくばって勉強しているのはなぜ?と気になることがあるはずです。

 

 私は子どもの頃に、募金箱に入れた募金は一体どこに届いているのだろう?と疑問に思っていました。大人になって自分のカメラでそれを追い掛けたことがあります。その募金は日本を遠く離れて、アフリカの森の奥で、子どもたちが学校で着る制服になっていました。長年疑問に思っていたことを自分の目で確認したことで、私はもっと募金をするようになりました。「アフリカとつながった。」と実感できたからです。どなたでも、ふと疑問に感じることはあるでしょう。なぜイスラム教徒は豚肉を食べないの?みんなで一緒に礼拝しているのはなぜ?こうした疑問から、相手のことを知ることが世界とつながる一歩になるのです。砂塵の一粒のような、ちょっとしたきっかけでも、時間が掛かっても世界とつながることはできるのです。

 

現地の文化に敬意を払って

 

 アフリカ、中東、ヨーロッパ、アメリカなど、どの地域も独自の文化や風習があります。私は常に現地の文化に敬意を払って、人々の風習に従いながら取材を進めています。日本では考えられない常識も中にはありますよ。例えば、日本では、出された食事を一粒の御飯も残さず頂くのが礼儀。中東やアフリカで貧しいながらも精一杯もてなされた際に、残しては申し訳ないと一所懸命食べると、彼らはもてなしが足りなかったのかと、どんどん追加で料理を盛ってくる。あえて残すことで満足したことを示すのが彼らの常識だったのです。このように日常の衣食住でも大きな違いが見られますが、相手に敬意を払って、相手に失礼でないか一歩引いて誠実に丁寧に接すると、言葉は通じなくても迎え入れてくれる感覚はあります。相手を尊敬する気持ちがあれば、世界中の人々が受け入れてくれると私は肌で感じています。

 

東北の取材も続行

 

 また、私は、東日本大震災についても現地での取材活動を続けてきました。早や4年の歳月がたち、当時と比べると報道も減っているのが現状です。私はカメラマンとして現場に入り、そこで暮らす人々の声を聴いてきましたが、知り合った方々は「もう自分たちでやるしかない。」と口をそろえて言われます。「ここに来てくれるだけでいい、それだけでうれしい。」と喜んでくださるので、私は現場に行くというよりも、東北の友人宅へ行くという感覚で、お話を聴いたり一緒に御飯を食べたりしています。普段付合いのような取材を続けていくことで、今後も柔らかくつながっていきたいと考えています。

 

読者の皆様へメッセージ

 

 私はこれまで各地を飛び回ってきましたが、世界中の人たちが京都に来たがっています。だからこそ、是非とも、「Welcome to Kyoto more(ウェルカム トゥ キョウト モア)」という気持ちで世界の友人を迎え入れてください。そして、世界が平和になることを一緒に願いましょう。

 

 

プレゼント

サイン色紙を差し上げます!

渡部陽一さんのサイン色紙を3名様にプレゼントします。どしどし御応募ください!

 

応募方法:

ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・「きょう☆COLOR」への御感想・御意見を必ずお書きのうえ、以下の宛先へお送りください。

 

締切り

6月1日(月曜日)(当日消印有効)

 

宛先

〒604-8571(住所不要)京都市人権文化推進課「きょう☆COLOR」Vol.2プレゼント係

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

Profile

渡部 陽一 さん(わたなべ よういち)

1972年静岡県富士市出身。

明治学院大学法学部法律学科卒業。

学生時代から世界の紛争地域を専門に取材を続ける。戦場の悲劇、そこで暮らす人々の生の声に耳を傾け、極限の状況に立たされる家族の絆を見据える。イラク戦争では米軍従軍(EMBED)取材を経験。これまでの主な取材地はイラク戦争のほか、ルワンダ内戦、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、アフガニスタン紛争、コロンビア左翼ゲリラ解放戦線、スーダン、ダルフール紛争、パレスティナ紛争など。

 

※P3~P4に掲載されている戦場写真及びコメントは、全て渡部陽一さんによるものです。

特集 人権擁護委員はあなたの街の相談パートナー お気軽に御相談ください!!

 

 最近ニュースで「いじめ」、「DV被害」、「インターネットでの誹謗中傷」がよく取り上げられています。これらは人権侵害となる行為です。

人権擁護委員は、法務大臣から委嘱を受け活動している民間のボランティアで「あなたの街の相談パートナー」として、人権に関する相談、調査・救済活動を行っています。また、啓発活動として、学校・幼稚園等での人権教室や、街頭啓発などを行っています。

 

「人権相談ダイヤル」にお気軽に電話してください

  

 いじめ、差別、虐待、セクハラ、配偶者やパートナーからの暴力、近隣間の騒音など、人権に関することでお困りのことはありませんか?

そんなときは、ひとりで悩まずに「人権相談ダイヤル」にお電話ください。秘密は守ります。

 

全国共通人権相談ダイヤル

0570-003-110

 

憲法月間(5月)の行事

人権作品展 (書道、絵画など)

5月1日(金曜日)~15日(金曜日)8:30~17:00

東山区総合庁舎

東山区役所地域力推進室☎561-9114

 

★ バリアフリー上映会「マレフィセント」

5月23日(土曜日)13:30

ホテル京都エミナース 明治アニバーサリーホール

洛西支所地域力推進室 ☎332-9318

 

人権啓発パネル展 テーマ:人権全般

5月1日(金曜日)~29日(金曜日)8:30~17:00

伏見区総合庁舎

伏見区役所地域力推進室

☎611-1144

 

人権啓発講座

演題 「人間らしい働き方を ~過労死をなくそう~」

講師 寺西笑子(全国過労死を考える家族の会代表)

5月28日(木曜日)14:00

伏見区総合庁舎

伏見区役所地域力推進室

☎611-1144

 

人権啓発パネル展 テーマ:人権全般

5月1日(金曜日)~29日(金曜日)

8:30~17:00

深草総合庁舎

深草支所地域力推進室

☎642-3203

 

人権啓発書道展   

5月1日(金曜日)~29日(金曜日)

8:30~17:00       醍醐総合庁舎      

醍醐支所地域力推進室

☎571-6135

 

ほっこりBOOKカフェ

韓国人留学生をゲストスピーカーに迎え

「夢と現実」をテーマに語り合います           5月31日(日曜日)14:00

kokoka京都市国際交流会館

kokoka京都市国際交流会館 ☎752-1187

 

人権啓発パネル展 テーマ:HIV

5月11日(月曜日)~20日(水曜日)

ゼスト御池

文化市民局人権文化推進課

☎366-0322

 

※★は事前申込みが必要です。 ※参加費は無料です。各会場にお越しの際は公共交通機関を御利用ください。 ※詳細については、問合せ先に直接お尋ねください。

 

我ら,企業市民

43株式会社 ティー・エス・ケーの場合

障害のある方を積極雇用

育てる雇用で戦力拡大へ

 

 ビル・マンションの管理やメンテナンスから、コンビニ、レンタルビデオ、レストランの店舗など多角的に事業を展開する企業、株式会社ティー・エス・ケーでは、京都市の総合支援学校と連携しながら、障害のある方を積極的に育成し、採用する取組を進められてきました。今回は、ティー・エス・ケーグループが運営する東山区のホテルを訪ね、同社取締役の奥野浩史さんと人事を担当されている総務企画部次長の福井剛さん、そしてメンテナンスサービス部門業務現場チーフの福田晶子さんにお話を聴きました。

 

「トップダウン」と学校との連携で積極展開

 

 私は人事担当者として、当社の取組の2年目から参加しました。総合支援学校やハローワークなどから御紹介いただいた人材を、その方に適した職場を見つけて面接、採用することが私の主な業務です。京都市の総合支援学校から、年間10人から20人程度の実習生を受け入れ、5日間程度から数週間、時には2箇月間、実習を実施します。

 

 実は、取組1年目は当社のノウハウ不足から、余りうまく行ったとは言えない結果でした。2年目は、社長から障害者雇用のシステムをきちんと作りなさいという指示があり、私は総合支援学校との窓口として配置されました。企業が障害者雇用を成功させる大きなポイントは、この「トップダウン」だと思います。トップの明確な指示の下、社内全体の目標としてやれたことは、私自身もよかったと感じています。

 

 1年目の失敗の原因は、作業の内容をきちんと理解してもらうことをしないまま仕事を任せ、結果だけをチェックするというやり方にありました。そこで2年目は指示を出したら必ず復唱してもらい、まずは理解したことをきちんと確認し、こまめに進み具合いをチェックするよう気を付けました。また、実習の進捗状況を学校の先生とお話ししたり、ハローワークの担当者さんに見に来ていただいたりと、戦力として採用するためにどういった指導をすべきなのか、様々にコミュニケーションを取りながら、実践的な方法を考えていきました。

 

 現在は、学校と企業が連携した職業教育システム「京都市総合支援学校デュアルシステム推進ネットワーク」にも参加しています。学校と企業が連携して人材育成を図るもので、企業間で意見交換をしながら一人でも多くの方の就労を支えたいと思っています。さらに、当社ではメンテナンス部門から店舗部門などへの展開も準備を進めています。例えば、レンタルビデオ店やレストランの厨房などがあり、包丁を持てる方であれば、調理補助も担当してもらっています。障害者雇用の基本は、まず「理解すること」。今は実習を通して理解を深めている段階で、十分戦力になると分かれば、積極的に展開していきたいと考えています。

 

可能性を伸ばすことに障害の有無は関係ない

 

 私は巡回スタッフとして各現場を回り、本人とお話ししながら仕事の状況やメンタル面、人間関係などを見守っています。必要があると判断すれば何度も通いますし、現場リーダーやエリアマネージャーとも相談しながら、サポート方法を考えていきます。

 

 気を付けていることは、とにかく相手の話を聴くことです。良し悪しの判断や私の感想はずっと後。話しやすい雰囲気作りを心掛けながら、彼、彼女が何を伝えたがっているのかをしっかりと受け止めることが大切だと思います。よく、コミュニケーションの取り方などのノウハウを聞かれますが、はっきりと「これです。」と言える答えはないように思います。障害の程度も、その時の状況も一人ずつ異なり、本人と一緒にもんもんとすることも多いです。個別にどこまでサポートできるか、そこがやりがいでもあり、悩むところでもありますね。

 

 ただ、仕事として続けていくのですから、不得意なことを安易に避けることはしません。どうしたらできるようになるのか、一緒に試してみたり、現場のスタッフに協力してもらったり。できることを継続的に探っていくのは可能性を伸ばすことですから、障害の有無に関係なく大切なこと。第1期生の採用から8年がたち、今では実習に来た後輩に熱心に仕事を教え、しっかりサポートできる方もいます。

 

 仕事を続けていってもらう、やりがいを持ってもらう、そうした目標にも障害の有無は関係ありません。ですから、会社の縦と横をつなげて、同じ目標に照準を合わせて取り組んでいけたら、と思っています。

 

雇用は高いハードルでなく、活躍の広がりへの期待

 

 当社では、「障害者雇用推進プロジェクト」を2006年に立ち上げました。現在では、全社員約600名のうち5%に当たる約30名が障害を持つ社員です。主に私が担当しているメンテナンス部門に所属し、病院やホテルなどのビルクリーニングが業務の中心です。

 

 メンテナンス部門では、優秀な人材が十分確保できないという時期が幾度もありました。そのような中、ある担当マネージャーの提案をきっかけに、障害のある方の雇用に取り組み始めました。

 

 精神に障害のある方の場合、作業を覚えてもらう時点で苦労したこともあり、当初は不安が大きかったです。ところが、実際に現場に出てもらうと、とても正確に作業を繰り返せる能力やルールを遵守する意識、しっかりと挨拶ができるといった面で、先輩スタッフたちが良い影響を受け始め、現場の空気が引き締まったようになりました。これは予想しなかった成果ですね。

 

 また、スタッフのアビリンピック(全国障害者技能競技会)参加もサポートしています。元々は、あるスタッフが総合支援学校でアビリンピックに向けてトレーニングを受けていたと聞いたことがきっかけです。社会人になってからも個人の技能だけでなく、モチベーションやチャレンジ精神を高めてほしいと思い、本人に確認しました。やりたいという返事でしたが、実はそれほど積極的な様子ではありませんでした。ところが、トレーニングを続けるうちに、どんどん意欲が湧いてきて、最終的に全国3位という成績を収めることができたのです。障害者雇用に対して、社会全体ではまだまだ「できないこと」に目が行きがちだと思います。ですが、それほど高いハードルではありません。まずは、何がむしろ得意で、何に難しさがあるのか、どういう環境なら効率が上がるのか、どう接することで人間関係が深まるのかを感じ取れる場を設定してみることが大切です。最初の一歩を踏み出すこと。当社ではビルメンテナンス部門での人材不足がきっかけでしたが、これからは、もっと広い分野で活躍が期待できる業務が増えていくと思います。

 

株式会社 ティー・エス・ケー

取締役 奥野 浩史さん

総務企画部 次長 福井 剛さん

第一事業部 メンテナンスサービス部門 チーフ 福田 晶子さん

見て・知って人権 京の学生が行く

このコーナーでは、京都で学ばれている学生の皆さんなどに、取材や誌面作りに参加いただき、毎号、京都市の人権関連施設を1箇所ずつ紹介していきます。

 

第2回 kokoka(ココカ)京都市国際交流会館

 

左京区にある「京都市国際交流会館」。この施設で活動している私たちが御案内します!

 

フランス出身

サミュエル・アンドレさん

(施設利用者)

 

岡本 成明(おかもと なりあき)さん

(ボランティア)

 

台湾からの留学生

廖 珮吟(リョウ ハイギン)さん

(運営アルバイト)

 

国際交流会館とは、どのような施設ですか?

 

 市民レベルの国際交流の拠点として平成元(1989)年にオープンし、人々が出会い、語り合い、交流を深めることを目指して運営しています。

 年間の利用者数は約25万人で「kokoka(ココカ)」という名称は、開館20周年の際に広く募集して採用したものです。

 館内には、自由に使っていただける机やソファーのある交流ロビーのほか、会議室、和室(茶室)、特別会議室(レセプションルーム)やイベントホールなどがあり、様々な国籍の方に御利用いただいています。

 

この会館では、どんな活動をされているのですか?

 

 京都市では、「世界がときめくまち」「世界がつながるまち」「多文化が息づくまち」の3つを国際化の目標としており、その実現のためには、学び、理解し合うことが重要です。

 当会館では、アルバイトを含めた職員20人が頑張っていて、留学生の交流イベント、茶道教室や外国人のための法律相談など、様々なイベントを実施しています。

 さらに、約400人のボランティアがこの会館の運営を支えてくれています。日本語を教えたり、日本での生活アドバイスや、ホームステイ、ホームビジット、観光案内などに携わっていただいています。ボランティアは毎年、メンバーを募集しています。

 また、京都市には、外国籍の方が約4万人住んでいますが(住民基本台帳登録者数)、その半数を占める在日コリアンへの理解を深めることを目的に、連続フォーラム「チョゴリときもの」を毎年開催しています。タイトルは日本人も在日コリアンもお互いに豊かで住みよい、真の国際社会を目指したいという願いから名付けました。フォーラムでは在日コリアンの方を講師に迎え、様々なテーマで現状や課題についてお話しいただいています。

 

交流ロビーの一角に「英語教えます」、「自転車売ります」、「パーティー開きます」、「友達募集」などのメッセージがいっぱい掲示されていますね。

 

 情報交換も、当会館の大切な役目の一つです。日本人、外国人とも気軽に足を運んでもらうことが一番大切です。京都に興味を持って、住んだり、長期滞在したりする外国人に便利で有益な情報をお届けしています。また、逆に日本人が外国を理解しようとするきっかけになればとも思っています。

 

読者の方へのメッセージをお願いします。

 

 京都市の目指す国際化の実現のために、国の大小、言葉や職業などの立場を越えて、外国人には、京都、さらには日本をより好きになってもらい、また、日本人には世界への興味の窓を大きく開けていただきたいと思っています。

 平成31(2019)年には、当会館を運営している京都市国際交流協会が設立30周年を迎えることになり、ますます重要な役割を担わなければならないと考えています。

 当会館は、様々な国籍の方が集い、ふれあい、お互いを理解し合う場所ですので、是非、御利用ください。

 

お話を伺った方

館長 山内 清(やまうち きよし)さん

 

図書・資料室(2階)

 

専門書や絵本などと共に、約130言語の辞書があります。世界各国・地域の新聞、雑誌を自由に閲覧することもできます。

 

書棚の案内は外国語もあるので、読みたい本を見つけやすいです。僕は日本語のテキストをよく読んでいますよ。

 

姉妹都市コーナー・展示室(2階)

 

パリ、ボストンなど、京都市の9つの姉妹都市の紹介パネルや、各都市から贈られた工芸品などを常設展示しています。スペースの貸出し、企画展も好評。

 

京都市の姉妹都市のことを知ることができて楽しいですね。京都とパリの似ているところも学びました。

 

ボランティアルーム(3階)

 

日本語教室や、京都に住む外国人の子育て支援などの活動拠点。ボランティアスタッフが活躍しています。

 

日本語教室では京言葉の「おくどさん」、「おばんざい」なども教えます。京都案内のツアーでは、隠れた京都の魅力も伝えています。

 

施設情報

所在地 〒606-8536 京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1

問合せ先 kokoka(ココカ)京都市国際交流会館 TEL:075-752-3010

ホームページ http://www.kcif.or.jp

開館時間 午前9時~午後9時

閉館日 月曜日(祝日の場合はその翌日の祝日でない日)、年末年始

入館料 無料

交通案内 市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車、地下鉄東西線「蹴上駅」下車

 

特集 ひとがつながり みんなでつくる やさしさあふれる 人権文化の息づくまち・京都 インターネットと人権

 京都市では、京都市基本構想に掲げる「安らぎのあるくらし」を実現し、人権文化の息づくまちづくりを更に推進していくため、今年2月に新しい「京都市人権文化推進計画」を策定しました(計画期間:平成27~36年度)。

 この計画は、人権を巡る社会状況の変化に適切に対応するために、重要課題として新たな項目を盛り込むとともに、人権に関わる相談窓口を紹介するなど、市民にとって分かりやすく役に立つものとなっています(計画の冊子は人権文化推進課のホームページから御覧いただけます)。

 今回は、計画で新たに重要課題として採り上げた「高度情報化社会における人権尊重」に関連して、皆様も日々利用されているインターネットにおける人権について御紹介します。

 

文:大久保 貴世(一般財団法人インターネット協会 主幹研究員)

 

 インターネットには「書くことが好きな人」の投稿があふれています。肯定的な投稿は微笑ましいものですが、批判的な投稿は想像以上に影響を及ぼすことがあります。私たちはインターネット上でどのような振る舞いをするとよいのでしょうか。

 

インターネット事件簿

 

 初めに、人権に関わるインターネット上の事件を振り返ってみます。インターネットがなければ誰も知り得なかったり、傷付くこともなかったかもしれないのに、「書くことが好きな人」の存在がある限り、止めることができません。

 例えば、ホテルの従業員が、宿泊するために訪れた有名人の実名をツイッターで投稿して騒動になり、解雇された事例、フェイスブックで知り合った男性に自身の猥褻な画像や動画をインターネットに掲載される、いわゆるリベンジポルノの事例や、学校内でLINE(ライン)を通じて同級生にうそをつかれる等のいじめを受け自殺未遂に至った生徒の事例などがあります。

 

何となく自分のことを話す、自分の写真を送る

 

 次に、女子中学生からの相談を紹介します。

 

SNSで知り合った相手に自分の秘密を伝えたら、ネットの掲示板に実名と写真、秘密を書かれてしまった。その投稿を消す方法が分かりません。恥ずかしくて夜も眠れません。

 

 彼女は何となく相手に気を許してしまい、自分の秘密や悩みを伝えました。ですが、自分の名前をインターネットで検索して相手の裏切りを知りました。削除の方法を教えたところ、幸いにもサイトの利用規約違反の書込みだったので迅速に削除されましたが、削除が遅かったらどうなっていたのか想像すると恐ろしいものです。書込みの削除方法を知ることは重要な対処方法です。

 一方、写真はどうでしょう。スマートフォンで撮影した写真は、緯度経度情報から撮影場所が特定されてしまうことがあります。文字を投稿する場合でも、例えば、ツイッターなどでは、今いる場所がツイートを見ている人に知られてしまうこともあります。初期設定では位置情報が付いた状態ですので、被害予防のために設定画面で外しておくとよいでしょう。

 

どのような振る舞いをすればよいのか

 

 インターネットでは、注目を集めるためにおもしろくしないといけないような雰囲気や、自分のことを必要以上に何となく書き込んでしまうことがあります。書込み等の内容が自分の興味のあることに偏ってないでしょうか。もっと他者を知る、他者を思いやる、そしてインターネットに依存せずに、自身で時間を掛けてじっくり考えてみませんか。

 インターネットから一時離れてみて、現実の世界で色々な人がいることを知れば、「相手の立場を考え、言葉遣いに注意しよう。個人情報の記載も危険だ。」と、責任ある振る舞いができるようになるものです。もし良くないことが起きてしまったら、一人で悩まずに速やかに相談機関や警察等へ相談しましょう。

 

知ってほしいこと

 

 インターネット協会が作った参考ページを紹介します。

 SNS利用時に注意してほしい場面や削除方法、問合せ方法、トラブル克服談の手記等です。

 

1「インターネットを利用する際に知っておきたい『その時の場面集』」

http://www.iajapan.org/bamen/

 

2「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール2014」結果

http://www.iajapan.org/contest/2014-kekka.html

 

※SNS

 Social Networking Service(Site)の略。インターネット上で友人を紹介し合って、個人間の交流を支援するサービス(サイト)。誰でも参加できるものと、友人からの紹介がないと参加できないものがある。会員は自身のプロフィール、日記、知人・友人関係等を、ネット全体、会員全体、特定のグループ、コミュニティ等を選択のうえ公開できるほか、SNS上での知人・友人等の日記、投稿等を閲覧したり、コメントしたり、メッセージを送ったりすることができる。代表的なものにFacebook、Twitter、LINEがある。

 

人権文化推進課フェイスブックページ「きょうCOLOR」を開設しました!!

イベント、講座の御案内など、人権に関する様々な情報を掲載しています。是非御覧ください。

(ページのアドレス http://www.facebook.com/jinkenbunka)

お知らせ

講座開催の御案内 京都市主催 平成27年度 企業向け人権啓発講座

参加費無料

 

※対象は、京都市内に事業所を持つ企業等の経営者層、人事・総務責任者、人権研修推進者等です。

 

第1回 講演【アンコール講座】

企業と人権 ~持続可能な社会と企業経営を保つために、いま大切なこと~

日時 平成27年5月27日(水曜日) 午後2時~午後4時

場所 京都私学会館 大会議室(下京区室町通高辻上る山王町561番地)

講師 馬場 周一郎(ジャーナリスト(元西日本新聞記者)/福岡県同和人権問題講師団講師)

 

定員 100名(先着順)

申込期間 平成27年4月16日(木曜日)~平成27年5月20日(水曜日)

(中小企業庁委託事業)

 

第2回 講演

企業が知るべき国際事情とグローバルな人権 ~民族や文化を超えて考えるべき人権について~

 

日時 平成27年6月26日(金曜日) 午後2時~午後4時

場所 京都私学会館 大会議室(下京区室町通高辻上る山王町561番地)

講師 坂元 茂樹(同志社大学法学部 教授)

定員 100名(先着順)

申込期間 平成27年4月16日(木曜日)~平成27年6月19日(金曜日)

(中小企業庁委託事業)

 

第3回 講演及び事例発表

次世代を担う人財の確保と定着 ~能力が発揮できるいきいきとした職場づくりのために~

 

日時 平成27年7月29日(水曜日) 午後2時~午後4時30分

場所 京都私学会館 大会議室(下京区室町通高辻上る山王町561番地)

講師 杉原 純子(森田惠三社会保険労務士事務所副所長・特定社会保険労務士)

事例発表 株式会社 田中印刷 

定員 100名(先着順)

申込期間 平成27年4月16日(木曜日)~平成27年7月22日(水曜日)

共催 京都CSR推進協議会

(中小企業庁委託事業)

 

第4回 講演及び事例発表ほか

HIV感染者、エイズ患者等と人権 ~企業が正しく知っておくべきことについて~

 

日時 平成27年8月28日(金曜日) 午後2時~午後4時30分

場所 京都私学会館 大会議室(下京区室町通高辻上る山王町561番地)

講師 大野 聖子(京都第一赤十字病院感染制御部長 医師)

事例発表 佐藤 文寛(青年赤十字奉仕団 京都府支部) 

制度説明 京都市保健福祉局保健衛生推進室保健医療課

定員 100名(先着順)

申込期間 平成27年4月16日(木曜日)~平成27年8月21日(金曜日)

(中小企業庁委託事業)

 

第5回 講演及びグループディスカッション

ハラスメント対策の心得 ~防止に努め、発生に正しく対処するために~

 

日時 平成27年9月30日(水曜日) 午後1時30分~午後4時30分

場所 京都私学会館 大会議室(下京区室町通高辻上る山王町561番地)

 

講師 辻 孝司(京都はるか法律事務所 弁護士)

定員 70名(先着順)

申込期間 平成27年4月16日(木曜日)~平成27年9月24日(木曜日)

(中小企業庁委託事業)

 

申込方法

京都市ホームページ(企業啓発担当)から入手した申込書に必要事項を御記入のうえ、FAXで申し込んでください。

FAX 366-0139(お問合せはTEL 366-0322へ)

 

※手話通訳・要約筆記を必要とされる方は事前にお申し込みください。

※定員を超えた場合は、その旨をホームページに掲載し、受付を終了しますので、あらかじめ御了承ください。

 個人情報の取扱いについて/頂いた個人情報は、京都市個人情報保護条例に基づき、他の目的には使用しないとともに厳重に管理します。

※ 各会場などにお越しの際は、公共の交通機関を御利用ください。 

※ 詳細につきましては、京都市人権文化推進課のホームページから「企業啓発」のページを御覧ください。また、 過去の「企業向け人権啓発講座」の講演録等も公開していますので、御参照ください。

 

御利用ください!!

企業向け人権クイズ

 

人権研修のノウハウがなくても、時間に制限があっても、15分程度で手軽に研修が行えるクイズ形式の教材と実施マニュアルを作成しました。「人権クイズ」で社内研修をやってみませんか?

 

ホームページ 「京都市:トップページ(https://www.city.kyoto.lg.jp/ 又は上記名称で検索)」から画面上部「暮らしの情報」→画面左下部「人権▶企業啓発」→「人権啓発サポート制度」→「人権クイズ」を御覧ください。

 

編集後記

 

 新年度は、入学、就職など、生活環境の変化の中で、新たな人と出会い、喜びや不安を抱えている方も多いかと思います。人はそれぞれ多様な個性を持っており、価値観も十人十色です。それぞれが互いの違いを認め、尊重し、分かり合うことが大切ではないでしょうか。   

 本誌の次回の発行は11月中旬を予定しておりますが、更に多くの情報を、より迅速に皆様にお届けするため、3月にフェイスブックページ「きょうCOLOR」を開設しましたので、こちらも是非御覧ください。

(本誌11ページ参照)

 

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.2 (発行 平成27年4月)

発行:京都市 文化市民局 くらし安全推進部 人権文化推進課 

☎ 075-366-0322 FAX 075-366-0139   

〒604-8091

京都市中京区寺町通御池下る下本能寺前町500番地の1 中信御池ビル6階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また、区役所・支所地域力推進室、市役所案内所ほかで配布しています。

 

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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