新指定・登録文化財 第25回京都市文化財

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2016年4月7日

 京都市では京都市文化財保護条例に基づき,文化財の指定・登録を毎年行っています。平成19年2月に京都市文化財保護審議会から答申を受け,新たに4件を指定しました。(平成19年3月30日告示)。これにより,京都市の指定・登録文化財は全部で459件になりました。

建造物

長楽寺本堂の写真
長楽寺本堂(ちょうらくじほんどう) 1棟(指定)
〔京都市東山区八坂鳥居前東入円山町〕

 長楽寺は,東山三十六峰の一つ長楽寺山の麓に位置する時宗の寺院である。
現在の本堂は,寛文6年(1666)に造営された愛宕郡西賀茂村(現在の北区西賀茂)の正伝寺仏殿を明治23年(1890)に購入して移築したものである。
 建物は,桁行3間・梁行3間・四周 裳階 ( もこし ) 付の小規模ながら本格的な 禅宗 ( ぜんしゅう ) 様 ( よう ) 仏殿 ( ぶつでん ) である。内部は 身舎 ( もや ) を格天井,裳階部を化粧屋根裏とし,床は四半敷とする。柱は全て丸柱で,石造礎盤の上に立つ。身舎部は 台輪 ( だいわ ) 上に出組を 詰組 ( つめぐみ ) に配して,入母屋造・本瓦葺の屋根をのせる。須弥壇前の2本の柱は,背面身舎柱筋より半間前方に立ち,背面裳階柱に水平の 繋虹梁 ( つなぎこうりょう ) を渡して束で身舎の桁を受けている。
 本堂裳階部の桁行・梁行は共に9.62mであるが,小規模な正方形平面であるところは,中世仏殿の特徴を引き継いでいるといえる。移築されてはいるものの,全体としては当初材が比較的よく残っている。
 長楽寺本堂は,寛文6年に造営されたことが明らかで,京都市内では数少ない本格的な小規模禅宗様仏殿の遺構として貴重である。

美術工芸品

木造十一面観音立像の写真
木造十一面観音立像(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう) 1躯(指定)
〔京都市南区上鳥羽岩ノ本町 浄禅寺〕
 

 本像は南区上鳥羽に位置する,浄禅寺観音堂のご本尊,十一面観音立像である。浄禅寺は寿永元年(1182)文覚上人の開創と伝えられ,境内には文覚上人ゆかりの袈裟御前の首塚がある。また地蔵堂に安置された地蔵菩薩像は古くから京都六地蔵巡りの一「鳥羽地蔵」として親しまれている。
 本像は均整の取れたプロポーションで頭部を俯き加減とし,やや前傾姿勢で,風を受けたかのように立つ。身体の肉付きは良く,かつ柔軟で,背中の盛り上がりや腹部の肉のたるみが巧みに表現されている。構造は,いわゆる一木造で,頭表面には漆箔がほどこされる。制作年代は10世紀と考えられる。
本像の造立は浄禅寺の創建を遡ることから,別の場所から移されたと考えられるがいかなる経緯で浄禅寺に納められたのかは詳らかでない。しかしながら,平安時代に遡る彫刻の優品であり,また,地元の信仰を集める重要な尊像である。

有形民俗文化財

大船鉾装飾品の写真
大船鉾装飾品(おおふねほこそうしょくひん) 121点(指定)
〔京都市下京区四条町 四条町大船鉾保存会〕

  大船鉾装飾品は,毎年旧暦6月14日,祇園祭 後 ( あと ) 祭 ( まつり ) の山鉾の最後尾を巡行していた大船鉾を飾っていた装飾品である。大船鉾は,元治元年(1864年)の大火により本体木部等が焼失して後,再興することなく現在に至っている。現存する装飾品は250点余であるが,うち制作年代が幕末以前と考えられる121点を指定した。
 本装飾品は,御神体人形まわりの諸道具と鉾本体に掛けられた懸装品に大別できる。懸装品の質は高く, 綴 ( つづれ ) 織 ( おり ) ,紋織,刺繍などの技法を使った, 前懸 ( まえかけ ) , 後懸 ( うしろかけ ) ,水引,舵などが残されている。一部に改変跡などもみられるものの,ほとんどが作制当初の状態で保存されている点が評価できる。また,御神体人形については, 礒 ( いそ ) 良 ( ら ) ,住吉大明神,鹿島大明神の遺品はなく,神功皇后のみ残されている。なかでも御神面は古く,江戸時代以前の可能性を残す。
以上,後祭の山鉾巡行の最後尾を飾った大船鉾の遺品としての資料価値は高く,貴重である。

名勝

西翁院露地の写真
西翁院露地(さいおういんろじ) (指定)
〔京都市左京区黒谷町 西翁院 〕

  西翁院露地は,黒谷浄土宗の本山金戒光明寺の塔頭西翁院境内にある。
寛政十一年(1799)刊行の『都林泉名勝図会』に,露地の様相が描かれている。茶室 澱 ( よど ) 看席 ( みのせき ) は,寛文十一年(1671)の建築であると考えられ,江戸前期の茶人藤村庸軒作と伝えられる。
 露地は鍵形の敷地をもち,内露地と外露地からなる。中門を潜り,露地へ導かれると,すぐに石段を下り腰掛に至る。腰掛の北方には連続して飛石が打たれ,西側は高生垣で遮蔽されている。高低差のある東側には混垣が巡り,中央の石段で内露地と連絡している。
 本堂から南西を眺めると,眼下に京都市街を広く見渡すことができる。
 内露地は茶室に西面し,外露地とは南北に木戸口を備えた四ツ目垣で仕切られ,中央付近に蹲踞が設けられている。
 『都林泉名勝図会』に描かれ,市街への広い眺望と市中の山居といった風趣を併せ持つ,藤村庸軒ゆかりの茶室に伴う露地として貴重である。

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